「人的交流を増やせ」

ロイター通信撮影

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日本とロシアが経済を中心とした協力関係を拡大している。ロシアでの事業展開に積極姿勢を見せる三井物産の飯島彰己(まさみ)社長が10月中旬にモスクワを訪れた折に、日露ビジネスの現状や展望を聞いた。

飯島彰己氏
三井物産社長

ーロシア経済の現状をどうとらえていますか。

  ロシアは豊富な天然資源があり、大きな国内市場を持っている。外部環境の悪化で輸出が鈍化し、今年に入って経済成長率は鈍化しているが、後アジア太平洋地域に本格的に進出し、エネルギーを中心としたロシアの物資がアジア太平洋に向かうようになる。

 

 

ー日露間のビジネスが活発化しています。

 日露の貿易量は昨年335億ドル史上最高で、日本の投資やロシアへの進出企業の数も増えている。日露経済交流を促進するため10月に発足した官民連絡会議には、資源はじめ建設、医療、農業、食糧分野の経営者が入っている。エネルギー分野以外のプロジェクトなどで関係強化がさらに深まっていくのではないか。

 

ー首脳間の接触が頻繁になっているのも好材料ですね。

 安倍晋三首相とプーチン大統領はかなり波長が合っている感じがする。4月の首脳会談で合意した極東開発やそれ以外の分野を安倍首相もやろうとしており、日露関係が一層強化されていく環境が整いつつある。このことが初の外務・防衛担当閣僚会議(2プラス2)などいろんな階層で形になってきている。

 

ー来年に予定されるプーチン大統領の訪日を踏まえて何が必要でしょうか。

  訪日前に日本としてできるだけ多くの案件を誕生させ、両国間で経済を含めて今以上にいろんな仕事ができている、ということを見せるのが大事だ。日露関係をもう一段上の次元に引き上げていくべきだと思う。

 

インフォグラフィック:

日露首脳会談

ー日露間でビザ発給手続きを簡素化する協定が10月に発効しました。日露交流発展のはずみにしたいですね。

  これだけ拡大している経済関係に見合った人的交流が必要で、ビザ簡素化は我々が長く待ち望んでいた。発効により経済・人的交流がさらに活発になるだろう。一方で韓国とロシアは国交樹立から20年しか経っていないのに、来年1月からビザ免除措置を実施する。日露もその方向に進むべきだ。