写真提供:ワミレスコスメティックス株式会社
ロシアの金融会社「フィボ・グループ」のアナリスト、ワシリー・ヤキムキン氏は、ワミレスには、高級化粧品市場でシェアを獲得できる可能性が十分あると考える。
「ロシアにおける日本の香水ブランドの成長率を総合的に評価する限り、選択肢は多くない。ロシアに参入しているレアブランドは、ロシア人によく知られているフランスのブランドを通じてリブランディングを図っている。ワミレスの製品と乙女ブランドも例外ではない。これらはM.ミカレフのオータムなどのフランスの香水に似ていると、ロシア人女性は話している。ただこの2つのブランドは、価格帯も種類の豊富さもまったく異なるが」
露化粧品市場に“隙間”あり
ロシアの香水および化粧品市場は、量でも質でも飽和状態にはないと話すのは、コンサルティング会社「エスパー・グループ」のダリヤ・ヤデルナヤ業務最高責任者。2013年度のこの市場の売上高は、128億ドル(約1兆2800億円)に達する見通しで、うち香水は22%になるという。
ヤデルナヤ業務最高責任者も、ワミレスがロシア市場でシェアを獲得できる可能性はとても高いと考える。「消費者の意見を調査した結果を見ると、高品質の化粧品の中でも、フランス製品と日本製品は高く評価されている。他の国の化粧品(中間価格帯が中心のすでに信用を得ているロシア製品以外)は、一部懐疑的に見られている」
ロシアでは、日本の化粧品が自然化粧品や薬粧品に近いと考えられており(天然鉱物化粧品の需要の高まりとともに、化粧品販売では準医薬品が一番のトレンドとなり続けている)、これが以前から強みとなっている。
ヤデルナヤ業務最高責任者によると、「乙女」がシェアできる隙間市場は、「高級クラスの薬粧品または自然化粧品(基礎およびメーキャップ)」。ただ、ここでの主な競合ブランドが、ロック、ヴィシー、ラ・ロッシュ・ポゼ、すでにロシア市場に参入している資生堂、カネボウおよびそのセンサイ、アメリカのキールズ(キールズは地方に進出していないため、モスクワやサンクトペテルブルクなどでの展開に限る場合)、その他さまざまな天然鉱物化粧品のブランドになるという。
日本製化粧品の中高年消費者への配慮が受ける
総じて日本のブランドは、ロシアの消費者とうまく仕事をしているが、その理由はいくつかある。
一つ目は、日本ブランドへの信頼。
二つ目は、ヨーロッパ製と比べた場合の日本製の価格。品質に疑問を感じるほど低くなく、かといって中間層や高級層をはねのけるほど高くない。
三つ目は、初期のアンチエイジングなど、中高年の消費者への配慮。
「日本市場の需要には長寿国の影響があり、40歳以上の女性向けの化粧品と香水の分野の優れた技術が日本のメーカーによって開発されている」とヤデルナヤ業務最高責任者。ロシアでは、この年齢層の消費者の間でスキンケアへの関心と需要が高まっているため、ここが特に強みになるという。
ソ連時代から最近まで、40歳以上の女性は、若さを保つことにお金をかけていなかった。女性は50歳になると自分自身を老婦人と呼んでいたりと、年齢に対する考え方が異なっていたためだが、今日はこれが変わってきている。より多くの中高年の女性が活発な生活を 送り、気分も外見も若くなるような技術への興味を強めている。そしてより良い製品の購入にお金をかける。「だからこそ、ワミレスには成功できるチャンスがある」とヤデルナヤ業務最高責任者はしめくくった。
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