ゴミが建築資材になる

ロマン・セベキン氏=ロシア通信撮影

ロマン・セベキン氏=ロシア通信撮影

ヴォルゴグラード市のロマン・セベキン氏は、ロシアでは珍しいエコ事業を始める決心をし、プラスチック製のゴミを建築資材に再生する会社「UFOペレラボトカ」を設立した。セベキン氏にインタビューを行い、リサイクルや会社の展望について聞いた。

-どのようなきっかけで始まったのでしょうか。

 私はプラスチックのリサイクル技術についてたくさん読んでいましたし、ゴミのリサイクルとそれに続く建築に特化した外国企業に関する番組も見ていまし た。2003年にアイデアがわきましたが、完成した技術は当時ありませんでした。でもヴォルゴグラード市は産業都市です。ここでは戦車だってつくることが可能で、組み立て方の知識を得ればいいだけなのです。技術と設備についていろいろと考え始め、ロシア各地をまわって材料や製品を見て、製造を学びました。 会社を始めるにはたくさんの労力と時間を要しましたが、2004年に実現することができました。

 

-リサイクルはどのようにして行われるのでしょうか。

 プラスチックを粉砕し、砂と水と混ぜ、圧縮します。これはかなり大まかな描写ですが。リサイクル時間は短く、2~3時間後には完成品を得られます。

UFOペレラボトカ社

ロマン・セベキン氏の会社は、「2013年世界学生起業家賞(Global Student Entrepreneur Awards 2013)」ロシア予選の決勝に進出。アメリカのワシントンで11月末に行われる世界大会への出場者は、10月10日に決定する。

 10立法メートルのプラスチックがあれば、建築ブロック300個をつくることが可能です。当社のリサイクル能力は1ヶ月1万立法メートルですから、建築面積100平方メートルの1階建ての建物約3軒分ということになります。さまざまな行政機関で技術について説明し、当社のブロックは国家鑑定に合格し、品 質証明書を受け取ることができました。

 当社が使うすべての設備は国産品ですが、昔のモデルで残っているものは少ないので、自分で完全につくりかえました。

 

-リサイクル用のプラスチックはどこから調達するのですか。

 あらゆる可能な手段を使ってプラスチックを集めています。住人が自らプラスチックのゴミを持ってくる場合もありますし、一部は街に設置した収集箱から調達しています。

 

-御社の製品の購入者はどのような人ですか。新しい顧客をどのようにして見つけていますか。

 市場で何年も仕事をしているので、すでに顧客はいますが、個人のみです。企業と取り引きを行えば発注規模も大きいですし、利益も大きいですが、その代わりに個人の顧客とともに、2008年の金融危機は静かに乗り越えました。誰もが節約の可能性を探っており、当社のブロックやプレートは、普通の建築資材の優れた代用品になるのです。

 当社の資材を使って家を建てた人が結果に満足して、知り合いにすすめるなどし、口コミで評判が広がっていきました。ですが常に順調というわけではなく、 新しいリサイクル資材に懐疑的で、信用しない人々を相手にすることもありました。ただし、今はこのようなことはほとんどなくなりました。

 プラスチック製ブロックの家の美的特徴は、普通の家の特徴に劣りません。省エネについて言えば、このブロックには保温機能があるので、こちらの方が優れています。そして何と言っても価格の安さです。一般のブロックは1個60ルーブル(約180円)ですが、当社のブロックは1個30ルーブル(約90円)で す。

 

-いろいろな強みがあって、環境にも優しいと。

 おっしゃる通りです。しかしながらこのビジネスを始めた頃は、それほど環境についてあれこれ考えていたわけではありません。質の高い資材をつくり、家を建設するという課題が先決だったので。ただし現在の原則は、環境分野に重きを置いたもので、環境面での社会の遅れを改善しようとしています。最近は幼稚園や公園を含む、市内のさまざまな地区にゴミの分別収集箱を設置することができました。小さい頃からゴミの分別と、自然への尊敬の念を教育することが必要だと思います。

 

-今後の課題とはどのようなものでしょうか。

 現在の主な課題は、ポリマー製の枕木の製造です。設備はほぼ完成しているので、あとは実際に製品を製造して、それを試験のためにロシア鉄道研究所に送るだけです。我々はエコ枕木を重視しています。多くの人がコンクリートや他の資材は過去の物で、プラスチックに未来があると理解しています。

 エコ財団をつくるというプロジェクトもあり、最近登録書類を提出しました。この財団はヴォルゴグラードだけでなく、ロシア全土の環境企業の助けとなるは ずです。主な援助内容とは支援金の提供で、資金の部分をサポートしてくれるスポンサーをすでに見つけました。これ以外にも、リサイクル技術品の収集や流通 の支援も行います。

 

元記事(露語)

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