日野トラックがロシアを走る

日野モータース・セールスはロシアのリース大手と組むことで、販売指標の増加を狙おうとしている。=写真提供:Getty Images/Fotobank

日野モータース・セールスはロシアのリース大手と組むことで、販売指標の増加を狙おうとしている。=写真提供:Getty Images/Fotobank

日本製トラックは今のところ、ヨーロッパ製、中国製、韓国製ほどロシアで人気を得られていない。だが日系メーカーが新たに結んだ契約が、この状況を変えるかもしれない。

 日野自動車のロシアの販売会社「日野モータース・セールス」は、ロシアのリース市場大手「VEBリーシング」と提携契約を結んだ。日野モータース・セー ルス販売・推進部のユーリ・ゾリン部長がロシアNOWに伝えたところによると、両社は共同リース・プログラム「日野リーシング」を立ち上げることで合意し たという。VEBリーシングは新たなリース・プログラムの正式な運営者となりながら、日野モータース・セールスとエンドユーザーの間で、事実上の金融仲介機関の役割を果たすことになる。

 

露リース大手と組むことで販売増を狙う 

 日野モータース・セールスはロシアのリース大手と組むことで、販売指標の増加を狙おうとしている。日野自動車がロシア市場に参入したのは、金融危機の真っただ中。2009年の同社製トラックの販売台数は200台だったが、翌年には倍になり、2011年には当初の6倍まで増加した。昨年の販売台数は2000台で、今年はこれと比べて400台多くなると予測されている。

 ロシアの大手調査会社「自動車統計」の上級アナリストであるアザト・チメルハノフ氏はこう話す。

 「登録台数では、日野はロシアのトラック市場で二桁代に位置しており、参入している競合他社に遅れを取っている。ロシアのカマ自動車工場やゴーリキー自動車工場、ベラルーシのミンスク自動車工場以外にも、ロシアではヨーロッパのブランド(スカニア、ボルボ、マン、ダフ、メルセデス・ベンツ)の人気が高い。アジアのブランドでは、韓国のヒュンダイと中国の陝汽集団の需要が高い。日系メーカーの中では日野がトップで、三菱ふそうをわずかに上回っている(40台分)」。チメルハノフ氏によると、トラックの販売台数の 90%以上を中型(車両総重量3.5~16トン)が占めているという。

 これまで日野自動車は、アジア系メーカーの中古車市場が発展している、ロシア極東やシベリアなどで主に人気があった。だが近年はロシア西部でも関心を持たれている。

 

「中小企業にとっては借りたほうが得」 

 VEBリーシングのアレクセイ・サチナワ副社長は、今日のリース市場において、トラックが成長の原動力になっていると考える。ロシアの「全国格付け機関」の上級アナリストであるマクシム・ワシン氏も同じ考えを持つ。「ロシアのリース・サービスに占める自動車リースの割合は昨年、17.7%から 20.8%まで伸びた。中小企業にとっては、自己資金で、あるいは借金をして自動車を購入するよりも、借りる方が得策であることを示している(特殊な課税 や加速された減価償却などにより)」。

 日野リーシング・プログラムは、企業や小売業者を対象としている。一つの条件を満たしていれば、誰でも利用できる。その条件とは、法人登録を行って1ヶ月以上経過していること。サチナワ副社長はこう話す。「ほとんどのリース会社は、1年以上活動している事業主にしかサービスを行わない。こちらのプログラムはより利用しやすいものになっている。そろえなければならない書類の種類を減らし、リース契約の手続きを早めた」。また、地方予算から前払い分が補助される可能性もあるという。

 ゾリン部長によると、日野のモデルを幅広くラインナップしているため、顧客層が限りなく広がる可能性があるという。日野トラックを購入するのは通常、物流、建設、公共サービス、配達などを行う会社だ。