魚にパスポート

=ワジーム・ジェルノフ/ロシア通信撮影

=ワジーム・ジェルノフ/ロシア通信撮影

ロシア政府は、ロシア漁業局にロシアから中国や日本へ輸出される“生きた海洋資源”に関する証明書を発行する権限を委任した。ビジネスマンや輸出業者は、不法操業を取り締まる措置を歓迎しているが、目に見える成果を上げるには、まず第一に自国の管理機構に注意を向ける必要があるとみている。

 ドミトリー・メドベージェフ首相は、ロシア漁業局にロシアから中国や日本へ輸出される海産物に関する証明書を発行する権限を委任する、という内容の決定に署名した。

 ロシア漁業局付属社会評議会のアレクサンドル・サヴェリエフ議長は、こう述べた。「これで、アジア太平洋地域のロシアのすべての隣国は、ロシアの魚および生物資源をその漁獲の合法性を裏づける正式の証明書に基づいてのみ受け入れることになり、密輸は阻まれます」。

 証明書の発給規則は、決定が発効してから一月以内に定められる。ロシアと中国の管轄機関は、輸出業者に証明書が発給されてから12時間以内にそのコピーを相互に送り合い、証明書の原本が本物であること、ならびに、証明書に記載された船名や輸入される生物資源の量と品目に関する情報、および、輸入国の港で申請される情報などが、チェックされる。その後、国家機構が、検査の結果、および、輸入もしくは禁輸に関する決定について相互に報告する。

 

主としてカニとウニが対象 

 市場関係者らは、協定調印時に、この証明書がサケ・マス、スケソウダラ、ホッケ、オヒョウ、ニシン、ナマコ、ウニ、カニ、貝類に関するものとされた点を指摘している。しかし、署名された決定では、生きた生物資源、つまり、主としてカニとウニが対象となっている。

 ロシア産業家企業家同盟・漁業水産物委員会のゲルマン・ズヴェレフ委員長は、こう語る。「スケソウダラ、サケ・マス(流し網漁のものでさえ)、タラは、魚卵もそうですが、生きた形では輸出されません。市場からの違法製品の締め出し、これは、最強の密漁対策です」。

 

第三国の旗を掲げた船はどうなる? 

 一方、極東カニ漁従事者協会のアレクサンドル・ドゥプリャコフ会長は、こう語る。「必要な書類の取得は迅速に行われるので、証明書がまっとうな漁民の仕事の妨げになることはありません。これは、違法・非登録・非調整の操業を取り締まるために不可欠な制度の一つです。そもそも、密漁者には、証明書など必要ありません。この制度が有効なものとなるのは、ロシアのカニを輸入する国が、ロシアの納入業者ばかりでなくカニ製品を積んで寄港する第三国の旗を掲げた船に対しても、そうした証明書を要求しはじめる場合に限られます」。こうしたスキームは韓国との間で始動しつつあり、その効果が近く評価されるが、他のアジア太平洋地域諸国とのこの面での協力はこれからだ。

 

「密漁者は事実上野放しに」 

 専門家らは、講じられた措置の必要性を指摘しつつ、国家機関がもっぱら真面目な漁民を規制の対象としていることに苦言を呈している。

 彼らの考えでは、そうした規制は明らかに度を超えており、メディアホールディング・フィッシュニュースのエドゥアルド・クリモフ会長は、こう述べる。「一方、密漁者は野放しです。国家が目を光らせるべきなのはまさに密漁者たちでしょう。国境を閉鎖するのも一案ですね。もっとも、これは、国家機構としての国境警護局の課題ですが…」。

 

記事全文(露語)