前回のランキングが発表されてから1年で、ズベルバンクの株式資本はロンドン証券取引所で33%増の739億ドルまで拡大していた =Getty Images / Fotobank撮影
イギリスの広告代理店「WPPグループ」傘下の「ミルワード・ブラウン・オプティマー」が、8回目となる「世界で最も価値のあるブランド上位100位」 を発表した。ロシアからは3年連続でズベルバンクとMTSがランクインした。昨年度、ズベルバンクは19%増の126臆5500万ドル(約1兆2655億 円)、MTSは11%増の106億3300万ドル(約1兆633億円)と評価された。
ズベルバンク
前回のランキングが発表されてから1年で、ズベルバンクの株式資本はロンドン証券取引所で33%増の739億ドル(約7兆3900億円)まで拡大していた。同社は2012年9月、株式7.58%の二次株式公開を行って、52億ドル(約5200億円)を獲得していた。
ミルワード・ブラウン・オプティマー・ ユーラシア部門のアナスタシヤ・クロフスカヤ次長は、「優れた金融指標と熟考されたマーケティング戦略」がズベルバンクのブランド評価を上げたと考える。 ズベルバンクはロシア最大の投資会社「トロイカ・ディアログ」や、「フォルクスバンク・インターナショナル」、「デニズバンク」を買収して、徐々にロシア の国際的な銀行としての評判を上げていったという。今回、ヨーロッパで最も価値のあるブランド上位10位までは、あと6%の評価額が足りなかったにすぎな い。ズベルバンクはこれについてコメントしていない。
MTS
MTSの株式資本は昨年度、ニューヨーク証券取引所で23%増の210億ドル(約2兆1000億円)まで拡大した。ブランドのランキングでは3ポイント 上の82位につけた。クロフスカヤ次長によると、MTSの投資額は、電気通信事業部門で投じられた額としてはランキング史上もっとも高額な投資の一つにな るという。調査によると、MTSに対するこの2年間の消費者の意識は、「優れているが高いブランド」から、「サービス料が適切なブランド」へと変わってい る。
「MTSは音声通話料を下げれば、ユーザーがその分をデータ通信などに回すと考え、大胆な値下げをした。現在は以前よりも通信の収益が上がっている」 とクロフスカヤ次長。MTSの決算報告によると、ロシアだけでデータ通信サービスの収益が34%増の330億6900万ルーブル(約1072億2000万 円)まで拡大したという。
MTSマーケティング部のヴァシリ・ラツァニッチ次長は「ヴェドモスチ」紙にこう話した。「これがMTS全体のブランド評価額を 高めた。当社の戦略の有効性を証明している」。MTSは今年、世界で最も価値のある電気通信ブランド上位10位に返り咲き(2010年に圏外に落ちた)、 インドの「エアテル」を抜いて9位についた。
ズベルバンクもMTSも製品やサービスを充実させ、ブランドの発展に積極的に投資して、競合企業との差別化を図っているとクロフスカヤ次長は考える。
上位はアップルはじめ北米企業
今回100位以内には入らなかったものの、世界で最も価値のある石油・ガス・ブランド上位10位には「ガスプロム」(7位、61億8000万ドル ≒6180億円、8%減)と、「ルクオイル」(10位に返り咲き、50億ドル≒5000億円)がランクインした。石油・ガス会社の評価額は、専門家が今後 の発展への取り組みと成長の可能性に疑問を示していることから、あまり上がっていないという。
ロシアの銀行「BTV」、電気通信事業者「ロステレコム」と「メガフォン」も、今後上位100位にランクインする可能性があり、特にソチ五輪がうまくい けばその可能性は高まると、調査する専門家は考えている。BTVはグループ会社がどこも質の高い仕事をしているため、発展してきていると同銀行の関係者は 話す。
ロシアのIT企業「ヤンデックス」(ナスダック上場)が積極的に拡大すれば、またはコンピューター・セキュリティ会社「カスペルスキー研究所」が自社の金融指標を明らかにすれば、世界で最も価値のある技術ブランド上位10位にランクインする可能性がある。
上位100位の頂点に立ったのはアメリカのIT企業「アップル」だ。ただし1850億ドル(約18兆5000億円)まで評価額を上げたものの、わずか1%増にとどまった。100社の総評価額の約65%を、マーケティング元祖の北米が占めている。
*引用記事(露語)
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