ロシア産ウオッカ復活

=ミハイル・モルダソフ/ロシア通信撮影

=ミハイル・モルダソフ/ロシア通信撮影

日本で今、ロシア産ウオッカに復活の兆しが見えてきた。

 日本に出回っているウオッカは韓国や米国、イタリア、ポーランドなどロシア以外での製造品がほとんどを占める。ところが、ここ数年、「スタルカ」「リモンナヤ」などソ連時代に知られていたロシア産ウオッカが日本に再上陸し始めている。

 日本の財務省貿易統計によれば、2012年のロシアからのウオッカ輸入量は前年比で38%増という高い伸びを示した。

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 食品産業新聞社(東京都台東区)がまとめた12年の輸入業者アンケートで具体的な銘柄を見ると、ロシア産では「フラグマン」の輸入量が前年比2倍強、「スタルカ」が同9割増となった。

 また同年から、それまで約10年間輸入が途絶えていた銘柄「ペルツォフカ」「リモンナヤ」「クバンスカヤ」が再び加わった。 

 実は、ロシア発祥のウオッカでも、メーカーが買収されるなどの理由によって外国で造られるようになった商品も多い。

 例えば世界シェア首位と言われる「スミノフ」は今は米国メーカーが韓国で製造。やはりロシア生まれの「ストリチナヤ」はバルト3国のラトビア共和国から出荷されるなど、必ずしもロシア産ではなくなってきている。

 また日本側でも、ウオッカ輸入販売の老舗「ベリョースカ白樺」が2000年代前半に閉店し、多くのロシア銘柄が販売終了となった。

 そんな事情もあって、2000年前後に年間40万㍑を超えていたロシア産ウオッカの輸入量は、2011年には過去15年で最低の2万㍑まで落ち込んでいた。

 

 底打ちの立役者ともいえるのが「ペルツォフカ」などロシア銘柄の再輸入を仕掛け続けている商社「プロムテック・ビズ」(東京都杉並区)だ。遠藤洋子社長は「ソ連時代のブランドには日本にも根強いファンが多く、久しぶりの入荷を知ってすぐに買い求める愛好家もいるようだ。売れ行きは予想以上」と話す。

 ウオッカは紛れもなく、日本人がロシアから連想するものの一つ。ロシアのメーカーも日本の輸入業者も失地回復に期待を寄せている。

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