フロントガラスに投影されるナビのイメージ=「ウェイレイ」提供
ウェイレイ
運転手には自動車の進行コースをくり返し映す線に見える。拡張現実感によって、映像がそのまま道路に映っているような印象を受ける。
ナビはフロントガラス表面の70%以上を使うが、運転手がよそ見をしなくてもいいように、焦点は無限遠になっている。
ウェイレイの位置情報はグロナスとGPSの衛星システムから受信される。運転手に最も快適な道を提案できるように統計を作成している分析センターもある。
ウェイレイがすごいのはナビだけではなく、ソーシャル・ネットワーク・サービスや位置情報サービスが統合されていることだ。
自動車の速度が落ちると、最寄りの建物に関するデータが表示されたり、ソーシャル・ネットワークを通じて他の運転手とつながったりできる。
トランスネット
プロジェクトの基本になっているのは、エンジニアであるアナトリー・ユニツキー氏のストリング輸送技術。高さ6~15㍍に設置された高張力ストリング軌道の上を、さまざまな種類の車両が走行するシステムで、交通、情報、エネルギーの統合インフラである。ユニツキー氏によると、軌道が高い場所にあることによって、建設コストを抑え、環境を守ることが可能となり、設置地域の邪魔にもならないという。さらに、高い安全性を保証できるとしている。
交通機関の事故は人、動物、木などと同じ高さにあることで起こってしまうからだ。アスファルト上で果たすクラッチのタイヤへの作用とは正反対のシステムがユニバス(ユニツキーのバスの意)に採用されている。
メディアキャブ
支払機とタクシー用車両を統合しているところがポイント。
支払機は車の前部座席と後部座席に設置されていて、乗客は自分で支払いを済ませることができる。メーターと連結しているため、タクシーが目的地に到着すると、タクシー代が表示される。最初から固定されているので、これを外したりすることは不可能だ。
タクシーには最新式のカードリーダーが設置されており、さまざまなカードを機械に通すことで、簡単に支払いを済ませることができる。
将来的には、携帯電話からの支払いも可能になる。コンスタンチン・シードロフ最高経営責任者は2~3年以内にモスクワだけで約1万5000台のタクシーに導入させる目標を立てている。