ブリヂストンがロシアに新工場

ロイター/ボストーク撮影

ロイター/ボストーク撮影

ブリヂストンが、ヴォルガ沿岸に位置するウリヤノフスク州の工業団地「ザヴォルジエ」に、乗用車用タイヤを生産する工場を建設すると発表した。

 今年中に着工し、製造開始は2016年上半期の予定で、2018年末には日産1万2千本、年産約400万本を生産する見込み。将来は第2工場建設の可能性もある――。「ウリヤノフスク州開発公社」はRBCデイリー紙にこう語った。この開発公社は、同州への投資呼び込みに携わっている。

 このプロジェクトでは、三菱商事がブリジストンのパートナーとなり、10%を出資して、タイヤ製造の現地法人「ブリヂストンCIS」(Bridgestone Tire Manufacturing C.I.S.)を設立する(ブリヂストンが90%を出資)。同社の資本金は18億円で、投資総額は375億円に上る。

 

 景気に左右されにくい冬用タイヤ 

 ちなみに、昨年生産を開始した、横浜ゴムのリペツク第1工場(年産140万本の規模)は、48億ルーブル(当時のレートで約115億円)を投じており、生産を年300万~400万本に拡大するには、投資総額は約370億円になるとしている。

 ブリヂストンの新工場は、ロシアとCISの市場向けに、主に冬用タイヤを生産する。現在、ブリヂストンの冬用タイヤは、有名メーカーのなかでは、Nokian Tyres(フィンランド)、横浜ゴムに次いで、ロシア市場で3位を占める。

 「基本的に冬用タイヤは最初から装着されているものではなく、冬期に交換するので、自動車産業の落ち込みに影響されない」。VTBキャピタル社のウラジーミル・ベスパロフ氏は楽観的だ。「3年後の、新工場が稼動する時点でも、ブリジストンのタイヤの需要はある」。

 

 税制面で様々な優遇措置 

 ブリヂストンと三菱商事は既に、ウリヤノフスク州政府およびウリヤノフスク州開発公社と、税制面での優遇措置について合意している。ロシアでは、法人税の一般の税率は20%で、そのうち2%、18%がそれぞれ連邦政府予算、地方政府予算に割り当てられる仕組みだが、新工場への法人税は、向こう10年間にわたり、実質的に、連邦予算への2%のみ。地元政府は、残る18パーセントのうち、4・5%分を軽減し、13.5%については、工場の建設、組み立てに対する補助金の形で還元する――。開発公社のドミトリー・リャボフ社長はこう語った。

 さらに、今後10年間、新工場は固定資産税を免除されるほか、地元政府は、3億ルーブル(9億円)を支出して、必要なインフラすべてを提供する。工場は2018年初めまでに800人の雇用を地元に創出する見込み。

 

*記事全文(ロシア語)

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