極東向けの税優遇措置

=タス通信撮影

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ロシア財務省は、極東向けの税制上の優遇措置を最終決定した。同省が作成した税法典の修正案によると、今後の新たな投資プロジェクトは、法人利潤税を10年間免除される。石油とガスの採掘を行う会社、タバコ生産会社、酒造会社、金融機関は対象外となる。

 極東の新しい会社は、免税措置を受けるためには、3年間で1億5000万ルーブル(約4億6000万円)以上または5年間で5億ルーブル(約15億円)の投資計画を申請する必要がある(極東以外に支店がある場合は、免税対象外になる)。または、投資プロジェクトが実現される土地を所有しているか、長期借地契約を結んでいる必要がある。

 国の措置以外にも、地域の措置として、法人は最初の5年間、法人利潤税10%以下まで減税してもらえる。現在法人税は20%で、うち18%が地域予算、2%が連邦予算に収められている。

 

鶴の一声 

 極東の新会社を対象とした免税期間の導入に当初奔走したのは、ヴィクトル・イシャエフ極東発展相で、これが投資拡大の新しい可能性になると訴えていた。

 2011年の対極東連邦管区投資額は、合計1兆ルーブル(約3兆円)で、うち10%が外国から、残りの90%が国内からのものだった。

 その後、国家評議会の幹部会で、プーチン氏はこのアイデアを支持し、新しい製造会社の法人税を免税にするよう指示した。財務省はこの措置についてこう説明した。「このプログラムの実現に追加的な費用はかからない。予算への効果は投資額の申請後にわかる」。

 

大企業優先との批判も 

 今回の修正案以外にも、投資環境を改善するような他の措置がとられるならば、極東は活性化する、とモスクワ大学経済学部のラスル・ムサエフ教授は話す。「地域政策を成功させるためには、予算・税金・金融政策の実施において、統一型から分散型に移行することが前提になるだろう」。

 この決定は、実際に極東に有利となるのだろうか。投資会社「ウラルシブ・キャピタル」の首席エコノミスト、アレクセイ・デヴャトフ氏は、そのためには基準を緩める必要があるという。現在この修正案は、実際に大型投資を呼び込めるほどの、大企業に焦点を当てているからだ。「地域経済成長を支えるのは中小企業であって、これでは対象になり得ない」。

 

元原稿(露語)

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