コンスタティン・チャラボフ/ロシア通信撮影
初めてのヨーロッパ競技大会が12日、旧ソ連共和国アゼルバイジャンの首都バクーで開幕。この大会のために建設された7万人収容のオリンピック・スタジアムは、大観衆でうめつくされ、美しい照明で彩られた。各国代表の入場行進が行われた後、アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領が開会を宣言した。
ユーロリンピックとも呼ばれるこの大会は、文字通り、オリンピックに匹敵するほどの種目数で構成されている。2016年リオデジャネイロ夏季五輪の28競技306種目に対し、この大会は20競技253種目。
スポーツ好きなヨーロッパにとって、これは特別なイベント。他の大陸ではかなり以前から、同様の競技大会が行われている。2011年には、メキシコで第16回「パンアメリカン競技大会」、カタールで第12回「パンアラブ競技大会」、モザンビークで第10回「アフリカ競技大会」が開催された。アジア競技大会は昨年、韓国で17回目を迎えた。
ヨーロッパ競技大会の開催は4年に1度。第2回は2019年にオランダで予定されている。
ロシア代表は金メダルへの気合十分
ロシアはこの新しい大会をとても重視している。12日は国の祝日「ロシアの日」であったが、ウラジーミル・プーチン大統領は開会式に出席した。ロシア代表は国別メダル獲得数1位を目指していると、ロシア・オリンピック委員会のアレクサンドル・ジューコフ会長は話している。
開会式の入場行進でロシアの旗手を務めたのは、レスリング・フリースタイルの五輪金メダリストであるハジムラト・ガツァロフ選手。
ロシアのファンが特に期待している種目は、ビーチサッカーと新体操個人。ビーチサッカーのロシア代表は2011年、2013年の世界選手権で優勝しているし、新体操のロシア代表には、リオデジャネイロ五輪の金メダリストの有力候補、ヤナ・クドリャフツェワ(世界大会で8回優勝)とマルガリータ・マムン(世界大会で5回優勝)がいる。
選手時代の1995~1997年に新体操世界選手権で5回優勝した経験を持つ、新体操ロシア代表のアミナ・ザリポワ・コーチは、ロシアの意気込みをロシアNOWにこう語った。「真剣すぎるぐらい。グランプリシリーズは毎週行われているが、ヨーロッパ競技大会はオリンピックと同じ頻度。それにアゼルバイジャンから始まる。だから第1回目の1位になりたいと思っている」
一方で、もっとも壮観で人気の高い競技の一つである水泳と陸上では、トップスター選手は参加を見送っている。新しいヨーロッパ競技大会よりも、従来の世界選手権に集中することを選んだ。2015年「世界水泳選手権」はロシア・カザンで7月24日から8月9日まで、2015年「世界陸上競技選手権」は、中国北京で8月22日から8月30日まで行われる。
目指せアジア競技大会
専門家が関心を持つ主な問題は、ヨーロッパ競技大会がアジア競技大会のようなスポーツ的、商業的成功を収められるかということである。
1971年から国際オリンピック委員会(IOC)の委員を務めているヴィタリー・スミルノフ氏は、ヨーロッパ競技大会には大きな未来があると考える。「ヨーロッパ競技大会はすぐにでもアジア競技大会と競合する可能性がある。ヨーロッパ諸国は運営力でもエンターテイメント力でも、アジア諸国に劣っていないと思う。商業的にも強力。ヨーロッパ競技大会のスポンサーは、BP社(イギリスのエネルギー大手)や大企業。確かに、今大会では、主要な競技である水泳と陸上のヨーロッパのエリート選手を見ることはできない。だが次の2019年大会までには、この問題が解決されるだろう。第2回大会の立候補の申請には、非常に興味深いものが多かった。立派な競争があるのだから、ヨーロッパ競技大会への関心は高いということ」とスミルノフ氏。
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