AFP/East News撮影
—あなたのこのGPファイナルのSPでの滑りは、今季で一番自信に満ちていましたね。
もしそうなら、なんで私の点数はジュニアみたいなんでしょう?(笑)ロシアじゃ、ジュニアだって、これくらいの点数を出すでしょう?
—点数は点数として、ご自身の手ごたえはどうでした?
正直言って、こんなに緊張したことはありませんでした。すごく恐かった。もっとも今シーズンはずっとこんな感じでしたけど。例えば、GP第3戦 中国杯での自由演技の前は、すごい緊張でした。つまり、本当に恐かったんですけど、今回のバルセロナでは全身神経みたいになっちゃって…。
— それはなぜでしょう?
第一にGPファイナルの格の高さ。これは私にはとても大事なスタートになります。バルセロナは自分にとって今季3戦目なんですが、最初の2戦はあまりうまくいきませんでしたからね。それなのに、ここはすべてがシリアスで、競争相手も強豪ばかりです。自分の力を発揮して、証明して見せねばなりません。私は今季初めて、ルッツとトゥループの連続ジャンプをやりましたが、これはスペインへの出発の三日前に入れたばかりなんです。
—あなたの演技が大会最初のスタンディング・オベーションでしたね。
ほんとですか?正直、見えませんでした。ここは観客席が、観衆の腰までしか見えないようになっていますから。でも、もしそうだったなら、すごく嬉しい。ここにはロシアのファンもたくさん来てますし。観衆はとても温かいです。ここは、リンクも更衣室も、そのほかの点も、昨シーズンの欧州選手権を思い出させてくれます(リプニツカヤはこの大会で優勝した――筆者注)。たぶん、欧州のリンクは、氷の質も含めて似てるんですね。
— 例えば、国際大会が行われる日本のリンクと比べて?何か違いは感じますか?
日本ではトレーニングのときから満席になるといったことがあるのは事実ですが、でも、私にとっては違いはありません。毎回リンクに出るたびに、どこか違った新しい自分になっているんですから。毎回、何かしら新しいことがあるんです。何かの夢を見たり、足がむくんでいたり、いろいろです。毎回が新たな自分との戦いになるので、観客席がどのくらい埋まっているかなんて、気にする余裕はないのです。
—中国杯後のインタビューでは、「私は自分にミスする権利を与える」とおっしゃっていましたが?
ご説明しましょう。私は実際に、自分にそういう権利を与えることにしてるんです。というのは、今季が始まった時点では、私はまだ準備ができていなかったからです。きちんときれいに滑れるのは、ショートプログラムだけでした。フリーの準備はというと、いまだにやってるようなものです…。
ですから、これは演技の個々の要素に対する自信の無さになってはね返って来ます。一事が万事そうなんです。だからこそ、演技後に――とくにそれがうまくいかなかったときに――後悔で“自分を食い尽くさないために”、自分を大目に見てやる必要があるんです。そうでないと、精神的にもちませんから。
でも今はずっと自信が出来てきて、自分の手持ちの3回転の連続ジャンプはぜんぶこなせるように回復しました。こういうことがすべて影響するわけなんです。
— あなたのコーチのエテリ・トゥトベリーゼ氏は、今のところ最大限の目標は掲げない、あらゆる状況を考慮すると、それは正しくないし、論理的でもないから、と言ってましたね。あなた自身はどんな目標を立ててますか?
そうですね。あまり赤っ恥はかかないように、といったところでしょうか。目標はあくまでも自分と戦い抜くことです。個々の要素を自信をもって滑れば、すべてうまくいきます。自分が本当に信じられれば、どんな姿勢からも必要な要素を繰り出せるのです。自信のない状態で臨めば、何もかもだめになります。
でも、今のところ、ベストの状態にはなっていませんから、フリーの後半は滑りが苦しくなるので、自分と戦わなければなりません。
— ジュリエットのテーマのほうが滑りやすいということですか?
ええ、これは私にはとても気持ちよく滑れます。でも真ん中に、かなりスピーディーな滑りをしないといけないところがあって、その後、足が重くなるんです。アドレナリンが出てしまって、突っ立ってしまうのです。
— オリンピックは経験という点で何を与えてくれましたか?
とにかく、ものすごく疲れました…。もちろん、たくさんの経験もできましたけど。新しいファンもできたし、名誉や称号も与えられました。こんなことお話する必要があるかどうか分かりませんけど。
— このGPファイナルで、チーム内の競争はどのくらい刺激になったり、モチベーションになったりしていますか?
私たちロシアの女の子にとっては、一緒に出場したり、トレーニングしたりするのは楽しいことです。やる気が出てきますし、何というか、より自信をもって演技できます。
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