組織力のロシア

ロシア通信

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自国がヨーロッパの国であるという考えをもてあそびながらも、ヨーロッパの国になりきれず、ロシアは独自の道を進むことを選んだ。ロシアのスポーツについてもずっと言えることだった。1950年代と60年代の短い時期を除けば、ソ連はサッカー界のエリートの一部を形成したことはない。

海外プレー選手ゼロ

 ロシアは母国でプレーする選手だけで登録選手名簿が構成されている唯一のW杯出場チームとなる可能性がある。選手たちは敵のコーチたちにとって比較的に不明な存在だ。

 それとは逆に、W杯グループステージでロシアが対戦するベルギー、アルジェリア、韓国はメディア漬けの英国、フランスやドイツなどのリーグでプレーするスターを擁している。

 主流から切り離されているということは、ロシアに有利もあれば、不利もある。

 

イタリア人カペッロ監督

 ここに天才的戦術家として知られるロシアチームのイタリア人監督、ファビオ・カペッロが登場する。

 ロシアは12年ぶりのワールドカップ出場を果たすために、ポルトガルを含む予選グループを首位で突破した。ブラジルでの最低限の目標は準々決勝に到達とすることである。

 ベルギーは近年勢いを取り戻しており、カペッロ監督が言うには「欧州で最高のチームの一つ」である。韓国代表は2002年のW杯準決勝進出以来、下降の一途をたどっている。アルジェリア代表はフランス代表選出にこぼれた選手たちが大部分を構成している。

 ロシア代表は見栄えはしないがオールラウンダーだ。予備登録24選手のうち17人が3つのクラブにだけ所属しているため、強みは組織力にあるといえよう。

 GKのイーゴリ・アキンフェエフの前にはCSKAモスクワでほぼ10年間共にプレーしてきたセンターバックがいる。ゼニト所属MFのビクトル・ファイズリンとロマン・シロコフはクラブと代表チームのチームメイトであるFWのアレクサンドル・ケルジャコフにパスする経験を豊富に持っている。

 

次回2018年W杯はロシアで開催

ブラジルで開催される2014年W杯の費用は約200億ドル(約2兆円)。5つの競技場が新設された。

ロシアでは18年W杯のために10の競技場が建設される。準備プログラムの予定表によれば、費用は6200億ルーブル(約186億ドル)となっている。しかし、最終的な建設費用はたいてい当初の見積もりと大きく食い違うため、今のところは予想しがたい。18年W杯で使用される12の競技場のうち、「カザン・アレーナ」はすでに使える状態にある。

 カペッロ監督は気まぐれな才能よりも実用主義を優先してきた。調子のいい日なら、CSKAモスクワのアラン・ジャゴエフは世界有数の選手になりうるが、調子が悪いと、神風タックルで退場になってしまう。そのため彼は控え扱いだ。

 ベテランストライカーのケルジャコフも、頭角を現してきたアレクサンドル・ココリンも今季はゴールを量産していない。ミッドフィルダーをストライカーとして代用することになる。

 

18年見据え若手中心

 W杯出場の他の監督とは違い、カペッロ監督にはロシアがワールドカップを主催する18年を見据える必要がある。そのため、現行の24人の代表選手のうち30歳以上の選手はわずか7人だ。

 ロシアは6月17日の韓国戦を皮切りに、22日にベルギー、6月26日にはアルジェリアと対戦する。