母の国ロシアで奮闘

プレーする篠塚一平選手= spartak.com提供

プレーする篠塚一平選手= spartak.com提供

サッカークラブ「スパルタク・モスクワ」はロシアで「国民のチーム」と呼ばれている。この超人気チームに昨年から日本人とロシア人を両親にもつ篠塚一平選手(18)が仲間入りした。今はユースでサッカー選手としての力と技能を磨き、いずれはロシア代表としてワールドカップ(W杯)のピッチに立つ自分の姿を夢見ている。

 篠塚選手は2012年末、スパルタクと3年契約を結んだ。

 この18歳の攻撃的ミッドフィルダーは今シーズン、U19ロシア代表のメンバーリストにも入ったほか、スパルタクのトップチームでのデビューを現実に近づけている。

 父が日本人、母がロシア人。11年に福島第1原発事故が起きなければ、生まれた日本で暮らし続け、ロシアに来ることはなかっただろう。

 家族が安全を考えて、母の故郷に息子を送った。既にロシアの市民権を得ており、ロシア代表のユニホームを着ることを楽しみにしている。  

 

ー何カ国語話せるのですか。  

 生まれたのは日本で、その後両親がすぐに米国に引っ越し、そこで5年暮らしました。それから日本に戻って11年暮らして、今ロシアにいます。  

 米国で英語をマスターしたんですが、日本に帰国して忘れてしまいました。今話せるのは日本語とロシア語だけです。  

ー遠くに息子を送ることをご両親は心配していませんでしたか。  

 ロシアの方がサッカーで成功しやすい、進歩がずっと早いと父が言っていたので、その通りにしました。  

あこがれはネイマール性格

性格 ロシア的だと思うのは新しい環境にすぐに順応すること。日本的部分は感情をあまり表に出さないところ。
好きなクラブと選手 「バルセロナ」(スペイン)。選手ならやはりネイマール(「バルセロナ」所属、ブラジル代表)。
モスクワの好きな場所 歩行者天国(クズネツキー橋通り、大ドミトロフカ通り)とタラソフカの「スパルタク」の本拠地。
ロシア語 ことわざと慣用句がなかなか覚えずらい。
新年 家族(父、母、妹)といっしょに日本で過ごす。
ソチ五輪 どの種目にしろ会場でこの目で観戦したい。
(篠塚選手の答え)

ーどうやってスパルタクに入ったのですか。  

 「ロコモティフ・モスクワ」のテストに合格しなかったので、サッカー・スクール「チェルタノボ」で1カ月練習した後に、「チェルタノボ」から残らないかと誘われました。  

 そこで、同年代の「スパルタク・モスクワ」のチームに大勝し、「ディナモ・モスクワ」にも勝ちました。その後スパルタクから誘いがあり、迷うことなく、ここに入りました。  

ースパルタクの歴史は学びましたか。  

 自分のクラブについてたくさん読んだので、偉大なチームだと分かったし、ここでプレーできることは光栄です。  

ーロシアのプレミアリーグについて知っていたことは何ですか。

 本田圭佑さん(CSKAモスクワ)がここでプレーしているということ以外は何も知りませんでした。

 あるテレビ局が本田さんと会わせてくれたのですが、急いでいてあまり話ができませんでした。

スパルタクのファン=Corbis/Fotosa撮影

 

ーロシアのプレミアリーグとJリーグを比べてどう思いますか。  

 ロシアではプレーがずっと速くて厳しい。あとフィジカルも強い。ここにはフッキ、クラニー、ティノ・コスタ、ラス・ディアッラらの外国のスター選手がいます。でも、Jリーグのレベルも高いです。  

サッカークラブ 「 スパルタク・モスクワ 」

スパルタクはロシアのプレミアリーグで9回優勝し、UEFAチャンピオンズリーグ、UEFAカップウィナーズカップ、UEFAヨーロッパリーグの準決勝に出場しているクラブ。
「モスクワ・スポーツ・クラブ」として1922年に創設。スパルタクは有力省庁の管理下に置かれなかったため、ホームスタジアムを持てなかった。2006年にようやく、モスクワ市政府によってスタジアム用地が割り当てられた。オープンは2014年夏の予定。

ーロシアのサポーターは近年、人種差別などで非難されていることを聞いたことはありますか。  

 私も仲間も嫌な目にあったことはありません。スパルタクのサポーターは熱心で、試合の雰囲気が好きです。このサポートがあると、1分たりとも気を緩めることができません。  

ー日本代表とロシア代表のどちらでプレーしたいですか。  

 ロシアのユース代表から招待を受けています。ロシア代表でプレーしたいです。  

 サンクトペテルブルクのフレンドシップ・マッチ(グラナトキン・カップ)には参加済みです。母がロシア人なので、特に問題は感じません。