=ウラジーミル・ペスニャ / ロシア通信
-2001年にIPCの会長に選出されましたが、以降パラリンピックにどのような変化がありましたか。
パラリンピックの活動はこの間、大きく拡大しました。例えば、パラリンピックは現在、チケットの販売枚数と視聴者数で世界第3位のスポーツ・イベントで す。選手はより有名になり、多くの国で英雄となりました。ですがもっとも大きな成果は、IPCが障がい者の組織から、世界的なスポーツ機関に変わったことです。パラリンピックは世界の優れたアスリートが競う、最高のスポーツの舞台と見なされつつあります。
-パラリンピックに新たな種目を追加する予定はありますか。
世界で人気の高いスポーツの種目を、今後数年間でパラリンピックに追加していかなければなりません。ソチのスキー競技に初めてスノーボードの種目が入る のもこのためです。今日の夏季五輪パラリンピック大会には22競技あり、4300人の選手が参加していますが、冬季には5競技しかなく、選手の人数も 750人と少ないです。ですので、夏と冬の差を縮めたいのです。2018年平昌冬季五輪ではパラ・スノーボードが独立した競技になりますから、6競技に増えます。
-世界でもロシアでも、パラリンピックより、オリンピックへの関心の方が高いです。これを変えるには、何が必要だと思いますか。
まず、初めてパラリンピックが行われたのが1960年、冬季パラリンピックが行われたのがその16年後だということを忘れてはいけません。バンクーバー大会は大成功、ロンドン大会は史上最高でしたが、ソチと2016年のリオデジャネイロにはさらなる向上が必要です。パラリンピックが行われていない時期に ファンの関心を維持することが大切なので、パラリンピック競技の世界選手権や地域選手権の拡大、宣伝などに努めていきます。
-ソチ・パラリンピックの中継はどのようになりますか。
前回よりも中継範囲は広がる予定です。バンクーバー大会を視聴したのは16億人でした。ソチに関しては、各国のマスメディアと契約を結び、中継時間が拡大される見込みです。特にアメリカではNBCとNBCスポーツが、前回よりはるかに長い、66時間以上の中継を行うことになっています。
-パラリンピックの準備状況に満足していますか。
ソチのスポーツ施設とインフラの準備状況について話すなら、街のバリアフリーは良くできています。ですが、大会が行われる場所に制限されるべきではありません。将来的には、これがロシア全体に波及していくことを希望します。それがこの大会の遺産の一つであるべきです。残りの課題としては、大会までのチケット販売ですね。ロシアの皆様に、弱視のスキーの選手が時速100キロメートルで山の斜面を滑走する姿を見ていただきたい、アイススレッジホッケーのほとばしるエネルギーを感じていただきたいのです。
-パラリンピックの聖火リレーの受け入れも近づいていますが、これでどれだけパラリンピックへの関心を高められると思いますか。
パラリンピック聖火リレー「ソチ2014」がロシアの全地域だけでなく、パラリンピックの聖地であるイギリスのストーク・マンデビルも通過することを、大変嬉しく思っています。これもパラリンピックの認知度を高めます。
-ソチ・パラリンピックの遺産として、もっとも重要なのは何であると思いますか。
もっとも重要なのは、ロシア社会で体の不自由な人に対する考え方や態度が変わることです。また、体の不自由な人々が、より積極的に社会生活、仕事、スポーツに関わっていけるようになることも重要です。これまでのパラリンピックは、選手の活躍によって、このようなことが可能になるということを示しまし た。
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