今季好調のボロソジャル・トラニコフ組

ロシアのフィギュアスケート・ペアのタチヤナ・ボロソジャルとマクシム・トラニコフ組は、東京で行われたグランプリ(GP)シリーズ第4戦のNHK杯(11月8~10日)で優勝した。女子シングルの若きエレーナ・ラジオノワは、非の打ちどころのない浅田真央の後に続いて銀メダルを獲得。

 ボロソジャル・トラニコフ組はNHK杯の前に、ネーベルホルン杯とスケートアメリカで世界記録を更新して優勝し、圧倒的な強さでスタートを切っている。NHK杯では連続の記録更新とはならなかったが、がっかりするような内容ではなかった。ショート・プログラム、フリー・プログラムでは、自分たちが出した記録に届かなかったが、ノーミスだった。

 トラニコフは大会後にこう話した。「我々にとって今シーズンの3戦目だった。神はトロイカを好むから、3という数字が私にとっての指標。最初の3回転ジャンプを決めれば後は安定する。したがって完全に自信をつけるため、この3戦目でうまく滑ることが必要だったし、とても重要なステップだった。落ち着いて演技して、グランプリファイナルに選出されることを目指したが、達成できて良かった」。

 2人を指導するニーナ・モゼル・コーチは、最高の状態で東京で演技したわけではなかったと説明した。「毎回記録を出すのは不可能。だから今回更新できなかったからといって、心配する必要はない。スケートアメリカの後で負担を減らしたし、その後体調不良があったから、あまり競技に適した状態ではなかった。それでもうまく滑り、高得点を出した」。

 NHK杯で2つ目のメダルをロシアにもたらしたのは、14歳のエレーナ・ラジオノワ。ショート、フリーを難なく滑った。ただインナ・ゴンチャレンコ・コーチは大会後、足に痛みを感じながら滑っていたことを明かした。ショートでは最初のジャンプで手をついてしまったが、後半の3-3をきれいに決めた。フリーは理想的な滑りを見せた。ラジオノワより上に立ったのは、今シーズン、プログラムのコンポーネントに極めて高い評価を得ている、世界選手権W制覇の浅田真央のみ。

 アイスダンスのエレーナ・イリイヌィフとニキータ・カツァラポフ組が、「白鳥の湖」の音楽に合わせて滑るフリーは、芸術作品と言える。だがそれには、理想的に滑ることが必須条件となる。NHK杯ではきれいに滑り、観客もスタンディングオベーションをしてくれたが、いくつかのエレメントの目立たない不足によって、点数を失ってしまった。ショートも同様だったため、結果は4位に終わった。

 2人は意気込んで大会にのぞんでいた。カツァラポフはこう話した。「我々の演技にたくさんのプラスとマイナスを見つけたから、フランスのグランプリの後で調整していきたい」。

 男子シングルのコンスタンチン・メニショフは8位、セルゲイ・ボロノフは9位だったが、滑りが悪かったわけではなく、NHK杯が強豪ぞろいだったからと言える。メニショフはショートで4回転トゥループ-3回転トゥループを、フリーで4回転2回をきれいに決め、2日間で2つのミスしかなかった。ボロノフは4回転2回を1つのプログラムに盛り込むという、人生初の挑戦をしているが、このフリーは今のところうまくいっていない。ソチ五輪の切符の争奪戦では、2人ともエフゲニー・プルシェンコとマクシム・コフトゥンの競争相手になり得る。

 

元記事(露語)

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