4位シャラポワと15位ユージニー

ロシアのテニス選手、ミハイル・ユージニーは、久々に男子世界ランキングのTOP15に入った=AP通信撮影

ロシアのテニス選手、ミハイル・ユージニーは、久々に男子世界ランキングのTOP15に入った=AP通信撮影

ロシアのテニス選手、ミハイル・ユージニーは、久々に男子世界ランキングのTOP15に入った。マリア・シャラポワは、優勝、プライベートな問題、ケガと、一栄一落のシーズンだった。

 今ロシアでもっとも強いユージニーは、ATPツアーのバレンシア・オープン500の決勝戦でスペインのダビド・フェレールをストレートで下し、記念すべき10回目の優勝を遂げた。ホームもブックメーカーのオッズも、この夜のフェレールには何の意味もなさなかった。ユージニーは2012年の全仏オープンで屈辱の敗退を喫していたが、今回の再戦では非常に良い動きを見せ、フェレールをさまざまな攻撃でほんろうした。

 

ATPツアー10勝目 

 「最高の一週間で最高のツアーだったし、ツアーの雰囲気も良かった。観客はダビドを応援してたけど、私の良いプレーにも拍手をくれた」とユージニー。

 スペインでの優勝により、世界ランキングで15位に浮上した。ロンドンで11月4日から11日まで行われる、ATPワールド・ツアー・ファイナルへの出場権はないものの、今シーズンは活躍の年と言えるだろう。高いレベルの安定したプレーを続け、スイス・オープン・グシュタードでは優勝し、ゲリー・ウェ バー・オープンでは決勝でロジャー・フェデラーと対戦。そしてスペインでの優勝とランキング上昇だ。

 

天敵セリーナ・ウィリアムズ 

 女子テニスのシーズンはすでに終了している。トルコ・イスタンブールで行われた女子テニス協会(WTA)ツアーの年間最終戦で、セリーナ・ウィリアムズ が李娜を下し優勝。全仏オープンの決勝で、ウィリアムズは唯一の競争相手とも言えるシャラポワに隙を与えなかった。最終戦を終えたウィリアムズは、疲労のために最高のテニスを見せることができなかったと話していた。シャラポワはケガと個人的な問題で、最高のプレーができなかった。

 シャラポワはシーズン序盤からつまずいた。全豪オープンでは準決勝で李娜に敗北。それでも3~4月は理想的なプレーを見せ、BNPパリバ・オープンとポルシェ・テニス・グランプリで優勝。期待はふくらんだが、やはりウィリアムズの好調さと比較すると、シャラポワの状態の良さは若干くすんで見えた。カタール・オープンの準決勝、ソニー・オープンの決勝、全仏オープンの決勝と、シャラポワは行く先々でウィリアムズとの対戦を余儀なくされ、すべて敗北した。

 

コーチの相次ぐ交代も裏目に 

 シーズン後半はまったく活躍できなかった。ウィンブルドン選手権で2回戦敗退した後、長年コーチを務めてきたトーマス・ホグステッドを解任し、伝説のプレーヤーであるジミー・コナーズをコーチに迎えた。だがアメリカのシンシナティで行われたW&Sオープン女子でアメリカのスローン・スティーブンスに敗れてしまい、コナーズもすぐに解任。新しいコーチは父のユーリ・シャラポフになると発表した。父親との関係は最近、良好とは言えない。

 新コーチである父の指導の成果を、今シーズンは披露できなかった。肩の故障で全米オープンに出場することができず、その後の試合も相次いで欠場。結局 シーズンをそのまま終了した。シーズンの半分しかプレーしていないものの、世界ランキング4位という高位置は維持できた。

 

シュガーポワ 

 シャラポワはロシアのマスメディアの取材に対し、テニス以外にビジネスに強い関心を持っていることを明かした。モスクワで4月の高級菓子ブランド「シュガーポワ」のプレゼンテーションを行った後も、販売促進活動を続け、全米オープンの前には、同大会の開催期間中に限り、自身の姓をシュガーポワに変えるとの情報を広めた。結局大会には出場しなかったため、情報の真偽のほど、またどれほど本気だったかは定かではない。

 シャラポワの人気とメディアの注目度は相変わらず高く、世界中の数百万人のファンがコートへの復帰を楽しみにしている。それでも来年2月は、ソチ五輪のため、小さな休暇を取る可能性がある。少なくともロシアのマスメディアには、故郷とも言えるソチに戻ることを約束している。

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