=ヴィクトル・ワセーニン撮影
-新しいプログラムを公開しましたね。完成まであと何パーセントぐらい残っているとお考えですか。
ボロソジャル「20パーセントぐらいです。一歩一歩前に進んでいます。もうすぐソチ五輪の試験大会が行われるので、そこで完全なプログラムを披露できると思います」。
-プログラム用の衣装の制作はどこまで進んでいますか。
トラニコフ「ショートの衣装はもう完成しているんですが、その出来に我々は感動しています。フリーはなかなか簡単に はいきません。例えばキリストのクラミュスは、フィギュアスケートの条件に合わせてつくれないですし、規定でも禁じられていますしね。それでも暫定的な衣 装はすでにできていますし、シーズンの途中でも別の衣装を着ます。後は本番で最高の衣装をお見せするだけです」。
-トラニコフさんがウェバーの音楽をお選びになったのですよね。なぜそうしようと思ったのですか。
トラニコフ「子供の頃、私の兄弟がよくロックを聴いていて、ある時『イエス・キリスト・スーパースター』のレコード を持ってきたんです。それを聴いてとりこになりました。その後イリヤ・アベルブフとイリーナ・ロバチェワがこの音楽を使って演技してるのを見たんですが、 正直なところ、『俺の方がうまくやれる』って思ったんです。多くのスケーターがこの音楽を使っていましたが、どれにも違和感を感じました。物語性のあるプ ログラムにしたいと強く思っていて、それがキリストとマグダラのマリアの話になったというわけです」。
-キリストになることに抵抗はありませんか。
トラニコフ「このプログラムでは、聖書とは無関係な戯曲の登場人物を演じるだけです。コーチはこのテーマが適切か悩んでいました。五輪シーズンにとても困難かつ責任が伴う役を演じるわけですから。きっと批判も起こるでしょうが、がむしゃらに進むことには慣れています」。
-ボロソジャルさんは、プログラムについてどう思いますか。
ボロソジャル「私はロマンティックな人間なので、愛のテーマは合っています。ただ、フリーの方が私の感性に近いです。ショートもいいですが、フリーの音楽が秀逸で、あまり機嫌が良くない時でも、これを滑ると元気づけられます」。
-いろいろな役を演じていますが、劇場でそれをやってみたいとは思いませんか。
トラニコフ「劇場や映画で是非演じてみたいですね。将来的にそのような機会があればいいですが。今のところ、スカウトはありません(笑)」。
ボロソジャル「私は歌手の方がいいですね。ドラマに出演することもできますよ」。
-お二人のスタイルとはどのようなものですか。
トラニコフ「二人で一つのスタイルというものはないです。我々の姿勢は、与えられる音楽で自分流に滑るというもので す。ブレイク・ダンスを踊れと言われたら、しっかりと勉強して、滑りに変えます。イメージを重視するということはなく、例えばロマンチックなペアと呼ばれ たいとは思いません。これがプロの姿勢だと思っています」。
-五輪で金メダルをとってもスケートを続けますか。
トラニコフ「続けるのではないでしょうか。年齢的に動けないわけではないですし。モチベーションなんて我々には必要ないんです。エレメントではなく、芸術を追求すればいいのですから、モチベーションがない方がきれいに滑れます」。
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