国中が合唱したソ連のミュージカル映画10選(動画付き)

Elisabeth Bostan, 1976/Mosfilm
 この音楽は今でもロシアのラジオで頻繁に流れており、映画はソ連に住んだことのない人にも何度も見られている。

1. 『陽気な連中』1934年

 ソ連初のミュージカルコメディであり、ソ連の映画スター、リュボーフィ・オルロワの出世作。

 グリゴリー・アレクサンドロフ監督のこの映画は、ジャズ・オーケストラの指揮者となる牧童のコースチャ(レオニード・ウチョーソフ)と歌手になる家政婦のアンナ(リュボーフィ・オルロワ)を描いた物語。

 この映画の主題歌は学校の音楽の授業でも教えられている。

2. 『カーニバル・ナイト』1956年

 リュドミラ・グルチェンコが主演のエリダール・リャザーノフのミュージカルコメディなしに、ロシアでは新年を迎えることはできない。

 文化会館の職員は、ダンス、歌、手品、スタンドアップコメディーなど、大晦日に向けてさまざまなプログラムを準備している。しかし、館長は大晦日を科学者による講義を伴う真面目なイベントにしたいと考えている。 若い職員たちには独自の計画がある...

3. 『天のつばめ』1976年

 レオニード・クヴィニヒゼによるミュージカルコメディは、1883年のフランスのオペレッタ『かまとと娘』を基にして制作された。寄宿学校「天のつばめ」の生徒たちは、修道女の指導のもと礼儀作法を学ぶ。主人公のデニザは大きな舞台を夢見ている。彼女は声楽の教師(アンドレイ・ミロノフ)が二重生活を送っていることを知る。時間がある時に軽薄な演劇作品や自分のお気に入りの女優コリーナ(リュドミラ・グルチェンコ)のために音楽を作曲している。

 ある日、デニザはパリで彼女を待っている両親から、自分の結婚相手を見つけたという手紙を受け取る。声楽の教師が少女の旅に同行することになった。そして2人の物語が始まる。

4. 『ママ』1976年

 オオカミとヤギの子供たちのおとぎ話を覚えているだろうか? お母さんヤギは出かける時、7匹の子ヤギにオオカミが入って来るから扉を開けないようにと言い聞かせる。しかしオオカミは声を変えてヤギのふりをする。

 ソビエト=ルーマニア=フランス合作映画『ママ』では、このおとぎ話が歌と踊りのある本物のミュージカルに生まれ変わった。母親ヤギの役はリュドミラ・グルチェンコが、オオカミの役はミハイル・ボヤルスキーが見事に演じた。

5. 『ああ、ヴォードヴィル、ヴォードヴィル』1979年

 常に「少なくとも一人の顧客がいる」占い師についての歌は、ゲオルギー・ユングヴァルド=ヒルケヴィチ監督のこのミュージカル映画で人気になった。この映画は、演劇俳優の娘が彼女の意志に反して結婚させようとする物語である。彼女も劇場で演じたいと思っている! だから夫候補をだますため、彼女は常に自分のイメージを変える。

 彼女の夢は叶い、女優になる。 何年も経った後、彼女の娘は母親と同じ道を歩きたいと考えるが、彼女は別の職業を選ぶように娘を説得する。

6. 『虹より高く』1980年

 詩や歌を書き、体育で走高跳で一番になることを夢見るソ連の男子生徒についてのミュージカルのおとぎ話。おとぎ話というのは、映画には魔法使いのセイレーンが現れ、嘘をつかないという条件で願いを叶えてくれる。

 この映画の主題歌は、映画を見たことがない人にもよく知られている。

7. 『カーニバル』1981年

 「女優になる勉強」をしてモスクワの人々を魅了するために旅立つ地方の少女(イリーナ・ムラヴィヨワが演じた)を描いたミュージカル映画。彼女は試験に落ちたが、翌年に入学するためにモスクワに残る。しかしその一年間ずっとアルバイトを探して過ごすことになる。彼女はミュージックホールでの仕事をもらって、夢にすこし近づく。ある日、彼女は病気になった端役の俳優の代わりにステージに上がるが、演技は失敗する。

 映画の中の彼女の困難な現実は、彼女が歌う夢に変わり、観客じゃ熱狂的な拍手喝采し、最終的には彼女が女優になったのか、それともこれらはすべて幻想なのかが分からなくなる。

8. 『チャロデイ(魔法使い)』1982年

 ストルガツキー兄弟の脚本のミュージカル・ファンタジー映画。舞台は新年の数日前、魔法の研究が行われている科学研究所。研究者たちは魔法の杖を開発中で、人々のためにその杖を製造するための承認を受けるため委員たちを待っている。この委員たちのために歌と踊りによる新年の宴が準備されているが、ここで「愛のテーマ」が前面に出てくる。研究者の一人が嫉妬のあまり、別の研究者を「冬の心」を持つ魔女に変えてしまう。愛する人からのキスだけが魔法を解くことができるのだ。もちろん、新年に奇跡が起こらないはずはない。そんな中、委員たちがやって来る…。

9. 『メリー・ポピンズ、さようなら』1983年

 レオニード・クヴィニヒゼによるもう一つのテレビ映画で、真の古典ミュージカルとなった。この映画は、家庭教師メリー・ポピンズについてのパメラ・トラバースの本を基にしている(メリー・ポピンズをナタリア・アンドレイチェンコが演じた)。 音楽はソ連で最も有名な作曲家の一人であるマクシム・ドゥナエフスキーによって書かれ、これらの曲は今でも国中のラジオ局で流れている。

10. 『ジャズメン』1983年

 この映画は1920年代半ば、ソ連初期が舞台である。当時、世界中でジャズが演奏され、オデッサ出身のコムソモールの若いメンバー、コースチャ・イワノフも自分のジャズバンドを作るという夢を抱いて暮らしている。彼は他の音楽家たちと一緒にモスクワに向かう。そして彼らの人気が高まった時、ソ連はジャズを「非合法化」すると宣言した。 映画は数十年後に旧友と再会するところで終わる。

 この映画は当時最も成功した映画の一つとなった。1年で1700万人以上の観客を動員し、46か国で上映された。

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