ロシア文学史上の三人のトルストイ

Russia Beyond (Photo: Library of Congress; Russian Academy of Sciences; State Literature Museum)
 文豪レフ・トルストイの他にも、ロシアにはあと2人の著名な作家のトルストイがいた。

 そのうちの1人は、アレクセイ・コンスタンティノヴィチ・トルストイ(1817~1875)。レフ・トルストイの、また従兄弟にあたる。A.K.トルストイの歴史中編は現在でも、ロシアの学校で子供達に読まれている。代表的な歴史中編の『白銀公爵』は、恐怖のイワン雷帝時代を舞台にした恋愛譚だ。

 もう1人のアレクセイ・ニコラエヴィチ・トルストイ(1883~1945)は、レフ・トルストイの縁戚にあたり、文学部門のスターリン賞を3度も受賞している。

 代表作は『ピョートル1世』(作中では、近代化を推進した専制君主ピョートル大帝とそのロシア史における役割が賞賛され、スターリンを想起させる内容となっていた)や、『苦悩の中を行く』(ロシア内戦期を舞台に苦難に満ちた恋愛模様を描いた大長編)など。

 一方、A.N.トルストイはSFの分野でも秀作を生み出した。『アエリータ』は、地球から火星に逃げ出したソ連の技師と兵士を描いた長編小説。『カリオストロ伯爵』は、肖像画に恋焦がれている若い貴族が主人公。カリオストロ伯爵なる謎の人物がその肖像画を実体化させたことにより、若い貴族の狂気の恋が始まるというもの。

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