エフゲニヤ・ヨゼファヴィチュス撮影
ロシアのホスピタリティー
ロシア極東のブラゴヴェシチェンスク市のアレクセイ・コルィキンさんは、もう何年も海外に行っていないが、近年、オーストラリア、ブラジル、ドイツ、モルドバ、韓国、中国、その他の国の旅行者を自宅に招いている。
「極東にはあまりこのようなお客さんはいない。村に暮らす僕の親戚は、村の生活を見てほしいといって、僕と外国人をいつも招待してくれる」。外国人にとって一番大きな問題はダニ。よく知らず、心の準備もできていないのだという。「お客さんはロシアでたくさんの驚きを発見してる。例えばドイツ人のティムとドミニクは初めて大祖国戦争(独ソ戦)の映画を見て、退役軍人とも友達になった。カナダ人のフェリックスはバーニャ(ロシア式蒸気風呂)に入ったことを忘れられないって」とコルィキンさん。
ロシアのカウチサーフィンの領域は多様だ。例えば、ソチでカウチサーフィンをする人は少ないが、チェチェン共和国の首都グロズヌイ市になると若干増える。
グロズヌイ市のユスプ・エラゾフさんはカウチサーフィンを始めてまだ1年だが、そのサイトのページには、すでにロシア、ヨーロッパ、中国の旅行者数十人からのレビューがある。「カフカスでは常に、客人に特別な注意が払われる。旅行者は地元の伝統、習慣、料理に興味を持っているから、チェチェンの伝統を教えてあげるようにつとめている。グロズヌイについてはさまざまな噂があるけど、現状を伝えるようにしている」
同じく北カフカスのダゲスタン共和国の首都マハチカラに暮らす、別のカウチサーフィン参加者、バグダト・ツマラエフさんは、客人のほとんどがイタリア、スペイン、セルビア、スイス、ドイツ、キプロスなどのヨーロッパ人だと話す。「僕のゲストはよく、マハチカラとイスタンブールを比べる。ヨーロッパ人はここのフルーツや野菜が好き」。カフカス料理は肉料理で有名であるが、ヨーロッパの客人にはベジタリアンが多く、肉料理を食べない人が多いため、ツマラエフさんは残念がっている。
ロシアのカウチサーフィン参加者で外国人を受け入れたことのある人に聞いたところ、外国人が驚くこととして共通の答えがあった。それはロシアのマンションはキッチンも部屋も小ぶりであること、家に入る時に靴をぬがなくてはいけないこと、ロシア人がひんぱんにウォッカを飲まないことなど。「私たちが毎日ウォッカを飲んでいると思いこんでるから、そうではないと知るとすごく驚く」とカザン市のカウチサーフィン参加者、マリヤさんは話す。
ロシアの家庭料理
宿泊ではなく、食事をふるまう、おもてなしクラブ「イートウィズ(EatWith)」もある。これは30ヶ国で行われている。地元住民が料理人となり、外国人がレストランよりも安い本物の家庭料理を食べれるというもの。
ロシアでこのサービスは2013年に始まったが、モスクワとサンクトペテルブルクのみで、参加者も少ない。客人に食事をふるまいたいと考える人は、認証を受けなければならない。インターネット電話サービス「スカイプ」を通じたプロジェクトの主催者の面接を受け、その後紹介された客人を招く。
プロジェクトに参加しているモスクワのナタリヤさんとイリーナさんは、メニューをプロジェクトのキュレーターに承認してもらえるまでに半月かかったと話す。「おもしろいお客さんにごちそうできて、交流できて、しかも収入も得られるなんて。これ以上の楽しみなんてあるかしら。イートウィズの魅力は、本物の料理人でも愛好家でも参加できる点ね」とイリーナさん。
2人はロシアのヴァレーニキ(水餃子のようなスイーツ)、水漬けリンゴ、メドヴーハ(蜜酒)などの伝統的なロシア料理をふるまっている。
イートウィズにはプロのシェフであるキリル・オリホフスキーさんも参加している。レストラン形式だと客人と会話ができないが、イートウィズはこの問題を解決してくれるという。オリホフスキーさんは中心部から遠いところに住んでいるため、友人のアパートに招いている。
ロシア・ビヨンドのニュースレター
の配信を申し込む
今週のベストストーリーを直接受信します。