ロイター通信
鍼治療や民族料理試食も
建設資金はスポンサーの資金および寄付金でまかなわれる。総費用は2億5000万ルーブル(約6億2500万円)になる見込み。
総面積1186.5平方メートルの仏教寺は、モスクワ市北部のオトラドノエ地区(Novovladykinskii Proezd, 15, Moscow, Russia)に建設される。
モスクワ仏教徒社会のドゥルマ・シャグダロワ代表はこう話す。「資金集めを始めたばかり。十分な額が集まったら、すぐにでも建設が始まる。建設期間は約2年」
寺院複合施設は3階建てで、1階には礼堂、僧侶用の部屋、来訪者用の食堂、2階には会議ホール、仏教講師用の部屋、瞑想室、3階には図書館、映画館が入る。映画館では仏教に関するドキュメンタリー映画が上映される。医療センターとクロークは地下階。屋上には小さな寺が設置される。
「寺の治癒センターでは、鍼治療やチベット医学のサービスを受けることができる。また食堂では、ベトナム料理、トゥヴァ料理、ブリヤート料理、モンゴル料理をお手頃価格で食べることができる。仏教の祝日には来訪者に無料で料理がふるまわれる」とシャグダロワ代表。
他宗教との摩擦を懸念する声も
2012年に寺の建設に関する説明会が行われた時、400人以上の住民が建設に反対票を投じた。この地区には複数の正教会以外に、すでにモスクやシナゴーグもあり、異なる宗教センターが集中することで衝突が起こるかもしれないというのが主な理由。
モスクワ市議会社会統合・宗教組織問題委員会のレナト・ライシェフ委員は、首都に仏教寺は不可欠だと考える。「モスクワにはモスク、シナゴーグ、正教会、カトリック教会があるのだから、仏教の宗教センターができても何ら驚きではない。仏教とは古代宗教であり、オトラドノエ地区に限らず、信者には自分たちの寺を建設する権利がある。ドイツでは同じ建物の中に異なる宗教の施設があったりする。イスラム教徒、キリスト教徒、ユダヤ教徒が同じ建物の中に入り、異なる扉へと向かう。いかなる衝突もない」
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