楊振中(ヤン・ジェンジョン)がロシアを訪れるのは初めてではない。=写真提供:Press Photo
1月21日(火曜日)
ヴェネツィアと上海のビエンナーレに参加している中国の画家、楊振中(ヤン・ジェンジョン)がロシアを訪れるのは初めてではない。昨年、モスクワでインスタレーション「死についての思索」を展示したのにつづき、今年は、同じ「死」のテーマでビデオ・インスタレーション「永劫回帰」を披露する。会場は、クレムリンに隣接する中央展示場「マネージ」。
死のテーマは、多くの作品に目立たぬ形で伏在しているが、楊振中は、それを真正面からとりあげることを恐れない。そこに彼のメディアとしての力もあるだろう。
同日
コンサートホール「モスクワ音楽堂」で、ダニロフスキー修道院合唱団が教会音楽の真髄を聞かせてくれる。この合唱団は、既に創設以来25年、教会音楽だけでなく、コサックの歌、ロマンス、軍歌、クラシックの名曲などを演奏してきた。今回のコンサートは、クリスマス教会音楽フェスティバルの一環として行われる。
ダニロフスキー修道院合唱団=ビデオ提供:YouTube
フェスティバルを組織、運営するのは、モスクワ音楽堂総裁でロシア・ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団芸術監督を務める、世界的に有名な指揮者、ウラジーミル・スピヴァコフ と、神学者で作曲家でもあるヴォロコラムスク府主教イラリオン。最終日には、大合唱団「合唱の巨匠達」とロシア・ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団が出演する。
1月23日(木曜日)
“ウラルの首都”であるエカテリンブルクでは、スコットランド出身のシンガーソングライター、Thomas Beavittによるコンサートが行われる。彼は、18世紀のスコットランドの詩人、ロバート・バーンズの詩に作曲して歌う(ちなみに、バーンズが集めた曲のなかには、スコットランド民謡”Auld Lang Syne”がある。これは、日本では「蛍の光」として、知らない人はいない)。そのほか、世界中の民謡を収集していることでも知られる。
コンサートは、クラブ「Ever Jazz」で、「バーンズとヴィソツキー:二人の詩人の一つの魂」と銘打って行われる。
Thomas Beavitt=ビデオ提供:YouTube
その心は、スコットランド民謡の収集に努めた、18世紀の偉大な詩人の打ちたてた伝統が、20世紀の「吟遊詩人」、ウラジーミル・ヴィソツキーに受け継がれているということ。
これはこじつけではない。二人の誕生日は、同じ1月25日だし、1841年には、スコットランドの地質学者ロデリック・マーチソンが、エカテリンブルク近郊のチュソヴォ村を訪れている。こんな神話的な一致のあとでは、フェスティバルをやらないわけにはいかないではないか。
「出来事と日常生活」、コンクール 「銀のカメラ2013」=写真提供: Silvercamera.ru |
1月24日(金曜日)
モスクワのカザン駅の「ツァールスカヤ・バーシニャ(ツァーリの塔)」で、大規模な写真展が開かれ、コンクール「銀のカメラ2013」にノミネートされた写真家の作品が 展示される。700点以上の作品が、「建築」、「出来事と日常生活」、「顔」の3つのカテゴリーに分けられる。後援はモスクワ市。
最終選考の段階では、「モスクワ写真館」も加わり、ファイナリストたちの作品が、1月25日にここで展示される。
このコンクール自体が、写真愛好家に刺激になっているわけだが、さらにイベントには、直接的な教育プログラムも含まれており、写真撮影のマスタークラスと写真芸術の講義が行われる。
コンクールを見ると、最近10年間でモスクワがどう変貌したかも、如実に分かるだろう。
1月25日(土曜日)
全ロシア博覧センター(VVC)は、旧名「国民経済達成博覧会」。パビリオン、彫刻、噴水などを含む大公園で、スターリン時代に建設された。ここで2日間にわたり、明るく楽しいフェスティバル「Geek Picnic 2014: Winter Edition」が開催される。ロボット、無人飛行機の選手権、それに抱腹絶倒のロール・プレイに、教育プログラムもある。
写真提供:Press Photo
この種のフェスティバルの参加者や作品には、シリアスなアイデアが胚胎していることが珍しくない。ロシアでは、1920年代から、青少年のための、こうした楽しい科学教育フェスティバルの伝統があり、その過程で、思わぬ発見、アイデア、発明が閃くことが稀でなかった。
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