12月16日~22日の文化行事

トゥバの喉歌(ホオメイ)は、ワールド・ミュージックに属している、国際的な音楽ブランドだ=Press photo撮影

トゥバの喉歌(ホオメイ)は、ワールド・ミュージックに属している、国際的な音楽ブランドだ=Press photo撮影

ペルミの聖人の木像、トゥバの喉歌、オーストラリア風「ポーギーとベス」などが盛りだくさん。

12月17日(火)

企画展「ペルミ地方のキリスト教古美術品」

 赤の広場の国立歴史博物館で、企画展「ペルミ地方のキリスト教古美術品」が開幕する。展示されるのは、イコン、タペストリー、祭服、礼拝用具、木像などの16~19世紀の教会美術品120点。正教では聖人を立体的に表現する伝統はないため、木像は珍しい。正教会ではイコンとフレスコ画が伝統的な装飾である。ウラル地方の工場主で事実上統治者だったと言える、デミドフ一家の注文に応じてつくられた、16~17世紀のイコンも展示される。木像はウラル地方の特異な点。ゆりかごに入ったイエス・キリストと、その上でかがむ聖母マリアが木でつくられている。ペルミの木像はフランスでも展示され、大成功を収めている。

 

12月18日(水)

 モスクワのゴーゴリ・センターで、ロシアのアンダーグラウンドでももっとも興味深いミュージシャンの一人、セルゲイ・クレヒンを称えるコンサートが行われる。クレヒンの作品を演奏するのは、アレクセイ・アイギとそのアンサンブル4'33、そして交響楽団。クレヒンは1996年に若くして亡くなったが、それまでに多くのことを成し遂げた。優れたジャズの即効音楽家そして作曲家であり、ピアニストとして1980年代にソ連有数のロック・グループなどと共演し、グループ「ポップ・メハニカ」を創設。「ポップ・メハニカ」は音楽グループでもなければ、劇団でもなく、可動型演劇・音楽プロジェクトという表現が合っている。何度もメンバーやシナリオが変わっている。アバンギャルドな風刺劇、パンクなアート・パフォーマンス...。アイギは有名な作曲家で、ロシアの映画やドラマの音楽を多数つくっている。アイギの技術はミニマリズムととらえられており、そのグループ4'33はクロノス・クァルテットやジョン・ゾーンの伝統を受け継いでいる。

 

12月19日(木)

伝説的な85歳のアルメニア人音楽家ジヴァン・ガスパリャンが演奏を行う=ビデオ提供:YouTube

 12月19日と21日に、モスクワの舞台劇場で、伝説的な85歳のアルメニア人音楽家ジヴァン・ガスパリャンが演奏を行う。コーカサスの民族楽器の笛(9穴の木管楽器)を吹く。世界で認められた音楽家のガスパリャンは、マーティン・スコセッシ監督の映画「最後の誘惑」やリドリー・スコット監督の「グラディエーター」などのハリウッド映画のサウンドトラックの作者だ。ガスパリャンは、ハンス・ジマーが曲を使用したことで、ゴールデン・グローブ賞を獲得した。たくさんの公演を行っており、ピーター・ガブリエル、ブライアン・メイ、マイケル・ブルックなどの音楽家とも共演している。

 サンクトペテルブルクのマリインスキー劇場で、アメリカ人作曲家ジョージ・ガーシュウィンのオペラ「ポーギーとベス」のコンサートが行われる。オペラの指揮をとるのは、若きオーストラリア人のダニエル・スミス。ども評論家も、スミスは世界の音楽舞台の希望の星と考えている。イェーテボリ交響楽団とのデビュー後、スミスは「もっとも有望な若き指揮者の一人」と言われている。

 

12月20日(金)

 トゥバの喉歌(ホオメイ)は、ワールド・ミュージックに属している、国際的な音楽ブランドだ。喉歌の特別な技術によって、歌い手は同時に2~3音を発することができる。モスクワ音楽堂でトゥバ・アンサンブル「フウン・フウル・トゥ」が、「先祖の声」のプログラムを披露する。「フウン・フウル・トゥ」はもっとも人気の高いアジアの民族グループの一つ。すでに20年も世界中をまわっている。有名なブリヤート人歌手ナムガル・ルハサラノワも、「女系先祖の黎明」のプログラムで出演する。

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