『図説 ロシアの歴史』

刊行:2010年5月

栗生沢猛夫 著 

河出書房新社

「ロシアって確か、昔はソ連で、その前は……何だったかなあ?」という方は、意外に多いようだ。「ロマノフ朝帝政ロシア。怪僧ラスプーチンもいた!」という方は、一応のロシア通である。では、その前は?――と、興味を持たれる方には本書をお薦めする。初期のロシア国家の首都はキエフだったのか! ロシアにも日本の元寇に似たものがあったのか! 歴史を知ることは、ロシア文化理解への最短の近道である。本書には図版や写真が大変多く(しかも大きくて見やすい)、それだけ眺めても十分楽しい。この分野の碩学である著者の解説は懇切で、本格的な歴史ファンの期待も裏切らない。現代までの全史をコンパクトに収める本書は、手軽でコクのある入門書として稀有な一冊である。