写真提供:Press Photo
25コペイカの試作品(非流通硬貨)2枚
今回落札されたのは、25コペイカの試作品(非流通硬貨)2枚。1808年の銀貨に130万ドル(約1億3000万円)、1827年の銀貨に240万ド ル(約2億4000万円)の高値がついた。シンコナは主に、ロシアの顧客をターゲットとしており、ロシアの銀貨と銅貨約1万枚のコレクションの競売から活 動を始めた。シンコナの専門家であるワジム・シリャエフ氏は、それほど古くない、わずか25コペイカの硬貨が、これほどの高額で落札されたことに注目している。これまで記録的な高値がついた硬貨は、19世紀よりも早い時期に製造されたものだった。
100年ぶりにオークションに出品された珍品
1808年の銀貨は、今からちょうど100年前の1913年に最後にオークションに出品されていた。1827年の銀貨は、限られた数しか製造されず、承認のために国の上層部に提出されたものの却下されたという、かなりの珍品である。競売にかけられたのも1968年の1回のみ。
「今の収集家の世代には、このような硬貨を獲得できる機会が他にないかもしれない。こんな可能性は人生で一度きり。そのために高額が用意された」とシリャエフ氏は話す。
ロシア絵画の市場との共通点
ロシア古銭の市場とロシア絵画の市場がどれほど異なっていても、ある共通点があることは確かだ。貴重な作品はモスクワやサンクトペテルブルクではなく、 ロンドンやチューリッヒで良く売れる。モスクワの古銭会社「硬貨とメダル」のイーゴリ・ラヴルク社長はこう話す。
「今回の硬貨がこれほど高額で落札されたことは、ロシアよりもヨーロッパの古銭市場がはるかに上を行っていることを示している。これらの硬貨がロシアで競売にかけられていたら、もっと安い値段で 落札されていただろう。2008年末から、ヨーロッパとアメリカにおけるロシア古銭の価格がロシアをこえている。国内のオークションでもっとも高額なロシ ア古銭は、2007年10月に1560万ルーブル(約4680万円)で落札されたもの。1730年のルーブルでこの値段だ」。
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