写真提供:Press Photo
ヤヌシュ・ストクロサの音楽(「地下鉄」)に合わせたミュージカル「ポーラ・ネグリ」は、すでにワルシャワの一舞台で公演中。CMを見るだけで、心をわしづかみにする3D映像が、本物の装飾や俳優の動きと一体になっていることがわかる。これは通りの数千人の行列、飛行機、蒸気船、演劇では珍しい瞬間的な 場面の変化、空間と時間の自由な移動。これまでにはない新しい見世物だ。
サンクトで12月に公演
サンクトペテルブルクで12月に行われる公演は、ワルシャワの演劇のくり返しではない。ポーランド人監督のヤヌシュ・ユゼフォヴィッチ氏によれば、新しい脚本(ロシア語版)を制作中で内容も変わり、世界初の公演と考えて間違いないという。
ポーラ・ネグリと、ドイツからアメリカに移民した有名な監督であるエルンスト・ルビッチの恋愛が、物語の中心となっている。時はニューヨークの通りでジャズやスイングが鳴り響き、人々がチャールストンに合わせて踊り、無声映画が発声映画に変わった1920年代。
このような試みは世界初だったため、自力で技術的な問題を解決しなければならなかったが、望んだ結果を得ることができた。ユゼフォヴィッチ監督は興奮気味にこう話す。
完璧なタイムトラベル
「現実と映像の境い目がわからない。私のようなショービジネスの世界で演出を考える人間にとって、優れたおもちゃだよ。想像してみてほし い。目の前でポーラ・ネグリが1920年代のニューヨークの通りを歩き、ハロルド・ロイドが車を運転しているんだ」。
「最新設備、完成度が最高のプロジェクターが必要だから、当然ながらとても高額なプロジェクト。だがもっとも重要なポイントは、最高の道具である我々の脳にスイッチが入ること。脳の中で、2つのぼんやりした映像と生きた俳優が、一つの空間におさまる。3D映画を上回るエフェクトを得られた。ずっと前から 『巨匠とマルガリータ』をやりたくても決心がつかなかったのは、きっとこのような技術を待っていたからなんだ。仮想的な猫が登場して、ベンガリスキーの頭 をもぎとってしまうのも良いかもしれない。ファンタジーと現実が一体化したんだ」。
サンクトペテルブルクでのミュージカル「ポーラ・ネグリ」の公開日は12月18日。その後モスクワでも上演が予定されている。
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