ブルース・ウィリスも読むウラルの露語新聞

=Press photo撮影

=Press photo撮影

最初の反応は、「そんなことがあるわけない。これはフォトショップだろう」だ。だがウラル地方の小さな街の地方紙「コペイスクの労働者」の編集長は、「これは真実。良いつながりがあるだけで、ここにはいかなる嘘もない」と話す。

 「コペイスクの労働者」紙に掲載された、ハリウッド・スターの写真17枚は衝撃的だ。ブルース・ウィリス、アンジェリーナ・ジョリー、レオナルド・ディカプリオ、トム・ハンクス、スティーヴン・スピルバーグ、リチャード・ギア、ジョニー・デップ、ジャスティン・ティンバーレイク、ハリソン・フォード、ケイト・ウィンスレットなどが、手に「コペイスクの労働者」紙を持っている・・・。

 

その秘密は 

 ありえな~い!このような宣伝が実現できるなら、世界の大手新聞社は大金を用意す るだろう。だが小さな産業のまちコペイスク市の、発行部数わずか9000部のこの新聞は、無料で写真を受け取った。

 その秘策とは極めて単純。コペイスク市の元住人で、現在アメリカ市民となっているマルガリータさんが、この写真を撮影したのである。アメリカの有名なプ ロデューサーである夫のジャック・テュークスベリーさんとともに、ハリウッド・スターの写真を撮影したときに、遠きウラル地方から送られてくる新聞 を彼らに手に持ってもらったのだ。

 

瓢箪から駒 

 ウラル地方ではすべてがハードだ。重工業が中心で、隕石は頭上から降ってくるし、周辺にはロシアでもっとも過酷な収容所が点在している。英語なんて、硬 派な住民は興味すら持っていない。ところがハリウッド・スターたちは写真撮影に応じるだけでなく、僻地の住民のために長いインタビューにも答えている。貴 重なインタビューを受け取ったはいいが、誰もロシア語に訳すことができない。結局「コペイスクの労働者」紙は、紙面で「英語の翻訳を求む!」と読者に呼び かけた。

 「『コペイスクの労働者』編集部は、学生の翻訳コンテストを行うことを決定した。15~20歳までの学校に通う青年なら誰でも参加可能。両親や先生の支援も自由」と書かれている。コンテストの勝者には価値のある賞品が贈られるんだとか・・・

 この一連の騒動は、新聞の良い宣伝になった。以前は何となく買われていたが、最新号はあっという間に店頭からなくなった。また、この新聞社のウェブサイトへの訪問数も急増したため、編集部はインターネット版の改善を検討し始めている。