アエロフロート機Tu-124がレニングラードのネヴァ川に不時着水した =Press photo撮影
ハプニング1:前輪が引っ込まない!
1963年8月21日午前8時55分、アエロフロート機Tu-124が、乗客45名と、ヴィクトル・モストヴォイ機長以下の乗員7名を乗せて、タリンからモスクワのヴヌコヴォ空港に向けて離陸した。
その直後、乗員たちは前輪が完全に引っ込んでいないことに気付き、レニングラードに緊急着陸することになった。
同機は、11時ごろにレニングラードに到達し、燃料を消費するため、同市の上空を高度500メートルで旋回し始めた。空港では、胴体着陸に備え、消防隊と救護班が待機していた。
ハプニング2:いきなりエンジン停止!
ところが、12時10分、8回目の旋回を行っていたとき、空港から21キロの地点で、2つのエンジンが相次いで停止してしまった。
この間の事情には不明な点があり、燃料は750リットル残っていてどうにか空港にたどり着けるはずだったが、燃料がエンジンに送られなくなったという説もあれば、燃料不足のためという説もある。
事故から35年後にテレビ出演した当時の副操縦士は、乗員が前輪を出すのに夢中になって、うっかり燃料切れに気がつかなかったと証言している。
ネヴァ川に不時着水を決断
エンジンが完全に停止したジェット旅客機には、もはやネヴァ川に着水するしか選択肢は残っていなかった。
同機は、フィンランド鉄道橋のあたりで無事着水に成功! 折りよく、タグボートが通りかかったので曳航してもらい、ネヴァ川の右岸に“接岸”した。
民間旅客機が不時着水して乗客乗員全員が無事だったケースは、世界航空史上5件しかない。
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