母語を忘れない

在日ロシア人のボランティアが日本で、自分たちの力で、幼稚園や同好者クラブや学校を作っている =タス通信撮影

在日ロシア人のボランティアが日本で、自分たちの力で、幼稚園や同好者クラブや学校を作っている =タス通信撮影

日本とロシアの人口はほとんど同じくらいだが、日本に住むロシア人は約8千人。在日ロシア人のほとんどが東京、大阪、名古屋など大都市に集中している。日本に住むロシア人の多くは、世代をつなぐ絆となるロシア語の能力を子供たちが保ち続けるようにと願っている。

幼児教育クラブ「ラードゥシキ」 

  在日ロシア人のボランティアが日本で、自分たちの力で、幼稚園や同好者クラブや学校を作っている。これはみな非商業ベースの活動だ。

  未就学児教育クラブ「ラードゥシキ」を東京に作ったアレクサンドル・クルィスさんも、そんなボランティアのひとり。「モスコフスキー・コムソモーレツ」紙 によれば、ここでは子供たちが、読み書きや絵やロシアの歌を教わる。アレクサンドルさんは、一番の問題は、熟練教員が足りないと感じられることだと言う。

 

 東京ロシア語・文学・文化学園 

 このほかに学校もある。それらの学校は、一校の例外をのぞいてボランティア団体、つまり同好者サークルとして活動している。「モスコフスキー・コムソモー レツ」紙によれば、その例外というのが、日本で唯一、法的に登録されている、ロシア人子弟を対象とした教育文化センター「E.K.LINGUADAR」 (東京ロシア語・文学・文化学園)だ。

 この学園の教育費は無料。教育は、ロシアの普通教育プログラムに準拠して行われている。学園には、図書室、マルチメ ディア・ライブラリーがあり、ロシア語・ロシア文学の教材も揃っている。教室の賃貸料や教材購入費を負担しているのは、ロシアのビジネスマンたち。彼ら は、このプロジェクトの発案者であり、学園長でもある是枝エレナ氏の知人たちだ。

 

学園長の是枝エレナさんが私財を投じて創設 

 最初はエレナさんがこのプロジェクトに私財を投じた。もちろん、生徒たち の父母も、寄付の形で応分の援助を行っている。最初の段階で援助したのは、東京の「ロシア世界(ルースキー・ミール)」基金。学園のオフィシャル・パート ナーだ。今、同基金と在東京ロシア大使館が学園に対して行っているのは、基本的には情報支援だけ。

 学園が設立されて、もう7年になる。その間、167名がここで学んだ。現在の生徒42名のうち、8名は日本人だが、ロシア語教員は日本語ができるので、教育にはまったく問題はない。

 

日本の学校も新潟などでロシア語教育 

 そのほか、横浜には、非常に優秀な教員のいるロシア語サークルが2つある。そのロシア語サークルに通っている生徒は全部で24名。日本に住むロシア人の割合からすれば、少なくはない人数だ。

 筑波大学准教授の臼山利信氏によれば、日本で第2外国語としてロシア語を教えている学校は20~25校あり、その大半は新潟県に集中しているとのこと。

 

モスコフスキー・コモソモーレツの記事を参照

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