作家アレクサンドル・クルリャンツキー生まれる

画像提供:wikipedia.org

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1938年の今日、7月1日に、作家アレクサンドル・クルリャンツキーが生まれた。彼は、超人気アニメ「今に見てろよ!」のシナリオ作家の一人として有名だ。

 クルリャンツキーは、1961年に、モスクワ国立建築大学を卒業し、1964年よりプロの作家として執筆活動を始め、1969年に「今に見てろよ!」第1話を完成する。

 

「今に見てろよ!」

 「今に見てろよ!」は、ロシア・アニメ史上最大のヒット作の一つで、ソ連版「トムとジェリー」といったところ。

 アニメスタジオ「ソユーズムリトフィルム」で、1969年から1986年まで断続的に16話が作られ、ソ連崩壊後も制作が続いている(現時点で第20話まで)。

 筋は一見単純そのもので、オオカミがウサギを追いかけるが、必ずしてやられ、最後に「今に見てろよ!」と叫ぶ。

 

豚のおばさんの“複乳ビキニ”

 しかし、細部にはすごく凝っている。セリフはほとんどないのに、オオカミの声は名優アナトーリ・パパノフが、ウサギはクララ・ルミャーノワが演じ、見事な歌を披露するなど、芸達者ぶりを存分に発揮している。

 脇役も光っている。アーラ・プガチョワ風のキツネの歌手とか、アジア人的な顔をしたウサギの空手の達人とか、ビーチに寝そべっている豚のおばさんとか。この豚は、“複乳ビキニ”をしていた。

 話の舞台も、オスタンキノのテレビ局、ビーチ、プーシキン美術館、建設現場、船、サーカス、モスクワ五輪当時のオリンピックスタジアムなどいろいろで、しかも不思議なほどプロパガンダ臭がないので、かなりリアルなソ連の生活絵巻となっている。

 

奇妙な自由感

 オオカミは思い切りアナーキーで、公序良俗に反することばかりやっているが、どこか憎めない。全体として奇妙な自由感が漂っているアニメなのだ。

 元来アナーキーなロシア人がいい加減、国の“説教”に飽き飽きしてきた頃に作られたアニメだったかもしれない。

 クルリャンツキーにはほかに、「すばらしいゴーシャ」(全10話)、「いたずらオウムの帰宅」(全3話)などの作品がある。