モスクワの「ナイト・ミュージアム」

モスクワの「ナイト・ミュージアム」は今年7年目を迎える =コメルサント紙撮影

モスクワの「ナイト・ミュージアム」は今年7年目を迎える =コメルサント紙撮影

5月18日から19日にかけて、ロシアで「ナイト・ミュージアム」が行われる。このイベントでは、さまざまな博物館や美術館が夜中も営業する。モスクワ とサンクトペテルブルクではこれ以外にも、さまざまな場所で深夜のコンサートが行われ、ストリート・アーティスト、音楽家、舞踏家などが出演する。イベン トは「国際博物館の日」にあたる5月18日の日中に始まり、翌朝まで続く。

イベントに行く前に

  モスクワの「ナイト・ミュージアム」は今年7年目を迎える。モスクワでは「国際博物館の日」が「文化遺産の日」とも呼ばれているが、当初はその”続編” として行われていた。この日はすべての文化施設と、外国の大使館が入っている歴史的な邸宅が無料で開放されるのが決まりとなっている。

 貴重な施設を訪問で きる唯一の日だが、入館希望者が収容人数を超える場合があるため、事前予約が必要な場所が多い。イベントの人気も年々高まっており、開館前にはキロメート ル単位の長い行列ができてしまう。そのため参加には忍耐力と回りやすいコースを選ぶ判断力が必要だ。モスクワっ子の多くは、プーシキン美術館やトレチャコ フ美術館、その分館に殺到する。このような場所を無理に避ける必要はないが、長い行列に並ぶ覚悟をしておくか、早い時間に到着しておかなければならない。

 

必見ポイント

 たくさんの会場の中でも、現代美術の重要なプラットフォームである、ワイン工場(Winzavod)とアートプレイ(Artplay)は、行って後悔し ないだろう。ワイン工場は、スポーツと芸術を組み合わせた「クリトオリンプ(Kul'tOlimp)」を企画しており、展示会やこの夜のために用意された 特別な作品を見ることができる。アートプレイは現代美術だけでなく、「レストラン・デー(Restaurant day)」というイベントでレストランのオーナーになってみたり、無料で料理を食べてみたりすることができる。

 また、視聴覚フェスティバル「プラムス (PLUMS)」、フェスティバル「ダンディ・デー&ナイト(Dandy Day&Night)」、「ロドニャ(RODNYA)」クラブのライト・ショーを含むさまざまな展示会も行われる。クルィムスキー・ヴァール通り に位置する中央芸術家会館内部のトレチャコフ美術館分館では、現代芸術を集めた「トレチャコフカ・ポップアップ(Tret'yakovka Pop-up)」が企画されている。アバンギャルドなピアノ奏者の演奏や、児童向けの楽しい教室が行われる。分館の常設展「20世紀の芸術」も無料で見学 可能だ。

 

芝生の上で

 昨年新装開園したゴーリキー公園もこのイベントの重要な場所の一つだ。中央芸術家会館の道路を挟んで向かい側に位置している。公園内にも現代美術館「ガ レージ」があり、才能ある素人の作品を展示した企画展「あらゆる物の美術館(The Museum of Everything)」が開催されている。ここは「ナイト・ミュージアム」でも入館料200ルーブル(約650円)がかかるが、見ごたえはある。

 

一風変わった演奏会も

 このイベントで見学できる魅力的な場所はたくさんあるが、すべてを回るのは不可能だ。歴史、自然科学、公園内、現代などのテーマ別、またアクセス条件な どで美術館や博物館を選ぶこともできる。混雑が苦手な人は「コローメンスコエ」、「ツァリーツィノ」、「クスコヴォ」といった自然公園で、新鮮な空気を吸い、 ライブ音楽を聞くという選択肢もある。デザイン工場「フラコン(Flacon)」は今年、エコ生活をテーマにした「デザイン・スボートニク」を企画してい る。ウィーンの野菜オーケストラの団員が、新鮮な野菜からつくられた楽器で演奏を行う。

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