「使徒」、1564年。
ロシアでの活版印刷は1550年代から始まっているが、印刷年代のはっきりしたものとしては、この「使徒」がロシア最初の本となった。頁数は534、部数は約2000部と推測されている。「使徒」は、正教会の祈祷書の一つとしてかねてから用いられていたもので、その内容は、使徒言行録、パウロ書簡、詩編(聖詠)など。
この印刷所は、イワン4世(雷帝)の命を受けて、イワン・フョードロフとピョートル・ムシチスラヴェツが設立した。僧侶の教科書としても用いられていた「使徒」が最初の印刷本として選ばれた。
印刷に1年近くもかかったのは、この間に、活字を鋳造するなど必要な設備を整えたためだ。
ちなみに、ドイツのヨハネス・グーテンベルクは、1445年までに活版印刷技術を発明しており、ルネッサンス、宗教改革の進展に貢献していた。
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