2月14日に花言葉を学ぶ

=エカテリナ・チプレンコ撮影

=エカテリナ・チプレンコ撮影

 18世紀はその厳しい礼儀作法から、たわいのない遊びをするにも、創意工夫を凝らさなければならなかった時代だ。もっとも印象的で、変わっていて、そして香しき遊びが「花言葉」。モスクワ南部に位置するツァリーツィノ公園では、聖バレンタイン・デーを前にして、「花の誘惑」という観光案内が行われている。ここでは、そんな花言葉の秘密を知ることができるようになっている。

=エカテリナ・チプレンコ撮影

 モスクワ南部にあるツァリーツィノ公園の起源は、18世紀にエカチェリーナ2世が建設しようとした夏の離宮だ。女帝の死去で未完成に終わった離宮を、2007年の建都860年を記念して、当時の図面にもとづき再現した。

ツァリーツィノ公園の温室では、ダイダイが咲き、レモンが熟している。この春の空気に包まれた場所で、観光の第一部「歴史案内」が始まる。

若き皇帝ピョートル1世は、国家機構から建築技術まで、生活のあらゆる分野に影響を及ぼすような新たな流行を、オランダからたくさん持ち帰った。これによってロシアの建物は広くなり、庭で育てた花を置けるような欧風窓がつくようになった。

そして女性たちは、数年を経ずして、ドレスを身にまとい、帽子をかぶり、舞踏会の花となり、芸術家の絵画を見ながら、それに隠された意味をささやきあったりするようになった。

画家ドミトリー・レヴィツキーは、真っ赤なけしの花を暖炉に入れる女帝エカチェリーナを描いた。その寓意は、ロシアの民が安心して眠れるようになるためには、エカチェリーナは自分の安眠を犠牲にする覚悟がある、ということだ。

 この時代の礼儀作法によって、それぞれの花には正確な意味が与えられるようになった。スイセンは自己愛をまわりに伝え、チューリップは好きな人への思いを語る。ホタルブクロの枝に9個の花がついていたら朝9時にデートに誘われ、赤いバラは二度と会えなくなる可能性がある。

この観光では、花の図解辞典を片手に、花に隠されたメッセージを読み解く練習ができる。

18世紀の舞踏会で人気のあった遊びは、聖バレンタイン・デーでも客人を楽しませることができるかもしれない。家のあちこちに、花の名前と、その意味が書かれたカードの山を置く。客人はそのカードを手に取って、花の名前以外を口にせずに、互いにメッセージを送りあうことができる。

 こんな舞踏会の遊びは、誰でも試すことができる。観光ガイドは花のなぞかけをしながら、観光客が独特の花言葉を学べるようにする。それぞれの花が一つの文字を意味し、複数の花がそろうと単語になるのだ。このようにしてできあがった便りは、おみやげとして持ち帰ることもできる。

ツァリーツィノ公園の温室は、その植物の種類の多さだけでなく、帝国時代と同じように植木鉢で栽培されているところが特徴だ。これらの植木鉢は、女帝エカチェリーナの舞踏会を飾り、その後庭園で発掘されたものだ。

この観光は「愛の妙薬」でしめくくられる。美しいグラスに注がれる赤の液体の秘密を、料理人は明かさない。その代わり、この「愛の妙薬」は心臓に良い飲み物で、特に聖バレンタイン・デーにはぴったりだと話した。