禁断症状に耐えられるか

=タス通信撮影

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ロシアは今年、タバコの販売拠点を10%減らすという、反タバコ法を成立させる予定だ。

公共の場での喫煙をほぼ全面禁止 

その中には2015年以降、公共の場での喫煙をほぼ禁止するという、厳しい規定も含まれている。これはカフェ、レストラン、ナイト・クラブに限らず、長距離列車や旅客船での喫煙も違法になる。国の大きさや、所要時間が6.5日にもなるモスクワとウラジオストク間の鉄道路線などを考えると、この法律が実現可能かどうかはかなり疑問だ。列車内のデッキだけではなく、列車が停車中に駅で喫煙することもできなくなってしまうし、空港などでも同様だ。

この物議を醸す法案は各所で大反対にあったため、すぐに下院(国家会議)には通らなかった。しかしながら、ロシア連邦保健省のヴェロニカ・スクヴォルツォワ新大臣は、タバコを吸わないドミトリー・メドベージェフ首相の支持を受けながら、着任早々譲歩しない考えを明らかにした。「ロシアの小規模事業がビールやタバコで成り立っているなら、そのような事業はロシアには必要ないということだ」。

新政権では反タバコ法案への合意が以前よりもスムーズに進み、2012年12月31日には政府によって下院に提出された。下院は新年直前に第一読会で法案を可決したが、第二読会に向けた修正など、本格的な作業はこれからとなる。メドベージェフ首相はこの法案についてコメントしながら、政府が喫煙者にとって厳しい条文を変える用意があることを示唆した。

 反タバコ法案ができるまで

ロシア連邦消費者保護・安全監督局のデータによると、現在国内には喫煙者が4000万人以上いる。割合では成人男性65%、成人女性30%弱だ。保健省によると、喫煙が原因で毎日700人以上のロシア人が死亡しており、年間では26万人にもなる。タチヤナ・ゴリコワ前保健相は、ロシアの死亡要因の17%をタバコが占めていると発表していた。

2001年に発効した連邦法「喫煙制限について」が、現在のロシアのタバコに関する法律だが、タバコの箱に警告文をのせること、職場、保健関連施設、政府機関などの公共の場では喫煙コーナーを設けて、それ以外の場所での喫煙を禁止することなど、喫煙者やメーカー向けの最低限の規制が行われているにすぎない。

2005年に発効した「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」を、ロシアは2008年に批准し、世界的な反タバコ運動の参加国となった。この条約は宣言書であり、多くの規定は推奨事項だ。ほぼどの条文にも、条約に署名した当事国は、タバコの消費低減を目指す措置を取る際には、その国の法律に従うこととうたわれている。この条約の厳しい規定は、タバコの宣伝、未成年へのタバコの販売、タバコの販売促進の禁止のみだ。