ロシアのお正月

=タス通信撮影

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古代ロシアでは、新年は春に祝った。冬の祝日になったのは、ピョートル大帝が1700年から新年は西欧と同じく1月1日に祝うよう布告を出してからだ。その年までに、大半の西欧諸国がグレゴリオ暦に移行したが、ロシアはユリウス暦に従い、11日遅れで新年を祝った(二つの暦のズレはほぼ1世紀に1日ずつ広がっていく)。ロシアがグレゴリオ暦に移ったのは1919年。それでも、伝統行事などでユリウス暦は今も生きている。

ロシア人がお正月を好むのは祝祭日が続くためでもある。新年祭のあとは、正教の降誕祭(クリスマス)が1月7日に祝われ(グレゴリオ暦では12月25日)、その後すぐ1月14日にユリウス暦の新年(旧正月)がやって来る。 

10世紀のキリスト教受容以前にさかのぼる異教時代の習慣も今日まで受け継がれてきている。野外の大道芸、新年占いなどだ。

モミの木を飾り、祝い歌を歌う伝統はロシア正教にあり、ピョートル大帝以降は花火、サンタクロースなど西欧の習俗が取り入れられた。しかし、海外の習慣はすぐにロシア化され、サンタクロースはマロースじいさんになり、孫娘の「雪娘」が道連れとなった。

新年祭で肝心なのは、0時の時報に遅れずに祝杯を上げることだ。ロシアでは、極東から西端のカリーニングラードまで9回も新年を迎えるので、モスクワ時間で大みそかの

午前8時にウラジオストクで飛行機に乗り、西シベリアのオムスクで乗り換えて、モスクワに飛べば、都合3回新年を迎えられる。

一番早いチュクチ

誰よりも早く新年を迎えたいと思ったら、極東のチュクチ自治管区に行けばいい。ここでは冬至の12月21日から22日にかけての深夜に正月を祝う。

マリ・エルの場合

正月を続けるにはボルガ沿岸のマリ・エル共和国まで9000㌔も飛ばねばならない。この自治共和国では冬至の12月22日から正月を祝い始め、最も重要な祝日は1月6〜7日で、ロシア正教の降誕祭と重なる。この日、マリ人(フィン系)はクルミをごちそうし合い、輪舞や占いをする。

カレリアの場合

正月は12月25日に始まる。仮装した人が家々を回り、運勢を占う。早く結婚したい女性は、次の通過儀礼をパスしなければならない。まず、屋外に置かれている干し草の山を乗り越える。次にたき火を飛び越え、最後に目隠しをしたまま、納屋の梁にぶら下がっている馬の首輪に、頭を突っ込まなければならない。

ブリヤートの場合

ブリヤートの正月は陰暦で祝うので2月末だ。新年は深夜ではなく、元日の早朝にやって来る。お正月料理には、必ず白いミルク製品が出る。白は幸福の象徴だからだ。

一番遅い共和国

沿ボルガ連邦管区のチュワシとバシコルトスタンの共和国では、新年は春分の日の3月21日に祝う。この日は草原の民にふさわしく、競馬や相撲や舞踏が行われる。