日本の衆院総選挙と領土問題

=タス通信撮影

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今月16日投開票の衆議院選挙では、アメリカ、中国、韓国、ロシアなど隣国との関係が重要な争点になっている。

民主党政権時代の日本は、外交政策で多大な問題にぶつかっていた。同盟国アメリカとは、沖縄の基地問題が原因であつれきが生じ、隣国の中国と韓国とは、以前からもめている領土問題が、直接衝突すれすれの状態までこじれて関係が悪化した。中国の監視船は、日本が自国の領海だと考える東シナ海の尖閣諸島周辺海域に侵入するという、示威活動をくり返し続けている。

日本は極東でほぼ孤立してしまい、ロシアとの関係を改善することで、その状況を打破しようとした。野田首相はロシアとの関係発展を重視し、南クリル(南千島)問題の解決と平和条約の締結を少しでも前進させたいとする旨を、何度も表明していた。

対露外交も頓挫 

メキシコのG20と、9月にウラジオストクで開催されたアジア太平洋経済協力(APEC)会議において計2回、野田首相はウラジーミル・プーチン大統領と良好な雰囲気で会談を行い、2回目には12月に野田首相が正式に訪露することで合意していた。野田首相はロシア訪問が最大の外交的成果になると考えて、非常にこれを重視し、消息筋によると、そのために衆議院解散総選挙を全力で引き延ばしたが、それはうまくいかなかった。

日本のマスコミは11月上旬、ロシア側から訪露を来年の1月以降に延期してほしいと要請があった、と報道した。プーチン大統領のスケジュールが多忙であることがその理由とされたが、日本のマスコミはプーチン大統領が運動で負ったケガを治療するために延期したとの非公式情報を伝えた。

その一方で、ロシアが野田首相の立場の危うさと、パートナーとして先行きが不安なことを感じとったことが、延期の理由だと伝える日本のマスコミもあった。

先週野田首相は日本のある市長と会談し、ロシア訪問が実現しなかった理由は、プーチン大統領の体調がすぐれないからだと述べたと伝えられたが、その後官房長官はその報道を否定した。

自民党は隣国との関係正常化を約束するが 

野党の自民党は、民主党政権時代の2010年、ドミトリー・メドベージェフ氏が大統領として南クリル(南千島)を訪問して日本に衝撃を与えたことを引き合いに出し、ロシアとの関係はむしろ悪化したと言っている。また、日本との領土問題で、ロシアの確固たる姿勢を強調することになったこの訪問を、民主党が阻止できなかったとして非難している。

政権奪還を図る自民党は、ロシアを含めたすべての隣国との関係を正常化すると約束している。ただ、それをどのようにして行うかは不明だ。安倍晋三氏は、中国に対して特に厳しい、“国粋主義者”として知られている。安倍氏はつい最近まで特にロシアに関心を示していなかったし、ロシアとの関係についての声明もまだ発表していない。