がん細胞核にナノレベルで薬を送る分子を開発

写真提供:wikipedia.org

写真提供:wikipedia.org

ロシアの研究者が、癌(がん)変異を起しているものを含む細胞核に、薬を”送る”ことのできる特別な分子を開発した。この”輸送手段”は、通常のがん療法と比べて、少なくとも1000倍有効な治療をする。

ロシア科学アカデミー「分子遺伝学研究所」のアレクサンドル・ソボレフ所長はこう説明する。

「特別で有効な治療法を研究している者にとっては、大きなジレンマがあります。(抗がん剤で)最大限の効果を得るためには、薬を細胞内の特定部分に送らなければいけないにもかかわらず、必要な細胞を見極めるために、表面分子マーカーを同時に使用する必要があるのです」。

必要な細胞見極め、細胞核に薬を送る 

抗がん剤は直接細胞核に送らなければならないが、そのためには、必要な場所に抗がん剤を送る”輸送手段”を生みだし、二つの矛盾した要求を解決しなければならない。「われわれはそれを達成できる、モジュラー・ナノトランスポーターを開発しました」とソボレフ所長。

がん細胞に抗がん剤を送ることのできるモジュラー・ナノトランスポーターにより、治療効果が1000~3000倍になる。

「さまざまなモジュラー・ナノトランスポーターを使った治療の高い効果があれば、がん治療の臨床への応用についても考えることができるようになる」と研究者らは述べる。現在、前臨床試験が実施されている。