モスクワで「JAPAN・EXPO」

モスクワで開催された「ジャパン・エキスポ・イン・ロシア2012」の会場  =キリル・ラグツコ撮影

モスクワで開催された「ジャパン・エキスポ・イン・ロシア2012」の会場 =キリル・ラグツコ撮影

モスクワでこのほど、「JAPAN・EXPO・IN・RUSSIA(ジャパン・エキスポ・イン・ロシア)2012」が開催された。この展示商談会は中小企業向けで、モスクワで開催されるのは2回目。今回は食品、化粧品などを生産する日本企業20社が参加し、合わせて69品目の製品が紹介された。日本企業は、ロシアの世界貿易機関(WTO)加盟をビジネス・チャンスとみて、ロシア市場に熱い視線を注いでいることは間違いない。このことは、企業側の意気込みと、来年は出展企業を2倍に増やすという主催者側の意向からもうかがえた。

ロシアでも日本の自動車やエレクトロニクスの大手メーカーはよく知られているが、中小企業についてはあまり知られていない。

300億㌦

年平均の露日貿易高

80%超

ロシアから日本への輸出に占める鉱物製品の割合

20社

今年の「ジャパン・エキスポ」に参加した日本企業の数

モスクワでの展示会「ジャパン・エキスポ」は正に中小企業向けのもので、多くの集客を狙うというよりも、特定の顧客に的を絞っているのが特徴だ。

このため、大手自動車メーカーや大型石油ガスプロジェクトに関心のある企業ではなく、より小規模な日本企業を参加の対象としている。

展示会の主要テーマとなったのは食品、工業製品、化粧品、建設、衣類、そして、文化。

大手企業の中では、ファスナーのメーカーとしてロシアでも知られているYKKグループが参加した。今回は玄関、室内のドアや窓、アルミサッシといった、住宅関連の製品を主に出展した。

ロシアでもこの分野の競争が激しいことはYKKも承知しているが、ロシアにおけるミハイル・トルヒン代表によれば、独自の販路を開拓しつつあるという。

ロシア市場の魅力について、同氏はまずロシアのWTO加盟を挙げた。

同社では、小売価格が跳ね上がる原因となっている関税が緩和されるものとみている。また、西側の一流品に引けを取らないデザインや仕上がり具合も、市場における日本製品の魅力を高める要因になると同氏は考えている。

ロシアでは全く無名の化粧品会社UNインターナショナルも北の隣国に注目している。斉藤圭代表取締役社長は、同社にとって初の海外進出先となるロシアの市場についてこう述べる。

300

ロシアに事務所を構えている日本企業の概数

6倍

ここ10年間の露日貿易の増加の推移

「日本の化粧品市場はすでに商品であふれており、ロシアにはわが社にとって大きなチャンスがあります。ロシアの女性は美容にとても気を使い、中間層は厚く需要は大きい。私たちは自社の商品に自信があり、柔軟なアプローチを実践しています。商品ラインアップを紹介し、人気アイテムを割り出し、今後の戦略を練るのです」

総じて中小企業もロシア市場やそこでの競争を恐れていないとの印象を受ける。

経営拡大の好機

例えば、今回子供のおむつから緑茶にいたるまでの日本の日用品のブースを出展したLIBは、経営拡大の好機が到来したとみなしている。

今のところ、ロシアへ輸出する同社の商品はウラジオストクのみで販売されているが、今後はモスクワのショップでも扱ってもらいたい考えだ。桃木宏充商事部部長はこう語る。

69品目

「ジャパン・エキスポ」に紹介された製品の品目数

12.4

2011年の日本からロシア経済への投資額

「現在ロシアでは、法律も税関規則も輸入品に有利な方向へ大きく変わりつつあり、以前よりはるかに仕事が楽になりました。うちの製品に対する需要は増えており、この2年間でウラジオストクでの販売高は1,5倍になりました」。

全体として参加者も主催者も、今回の展示会によい印象を受けている。JTB法人東京・第五事業部の小田嶋敏明氏はこう話す。

「私たちはここで多くの有益な折衝ができました。ロシアでのビジネスを早く軌道に乗せたいものです。このところ中国や韓国など、アジアにおける国際関係が若干複雑化したため、日本企業はアジアから他の国々へ活動の場を移すことを考えています。例えば、ブラジルやロシアを含むBRICS諸国を想定しています」。