次世代型量子光学時計を開発へ

写真提供:flickr.com / by elvis_payne

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ロシア科学アカデミー・シベリア支部は、宇宙機用小型携帯レーザー時計の生産研究所を設立すると発表した。

レーザー分光学分野、また量子周波数標準やそれを基礎とした光学時計の製作で世界有数の機関である、ロシア科学アカデミー・シベリア支部レーザー物理学研究所は現在、ヨーロッパ次世代型量子時計生産プログラムに参加している。

レーザー物理学研究所の所長でアカデミー会員のセルゲイ・バガエフ氏は、こう発表した。

「ロシア科学アカデミー・シベリア支部は、この領域で非常に多くのことを成し遂げたし、今後ともそうありたい。現在は、ヨーロッパでこのような時計の設計プログラムが作成されている」。

現在、これに関連した特別な研究所を設立することが検討されており、研究所のプラットフォームはヨーロッパにもシベリア支部にもできる。

10の(-18)乗秒の精度がもたらす様々な可能性 

課題は、既存の精度より高い、10^(-17)から10^(-18)レベルの精度を実現することだ。このレベルの光学時計の開発により、深宇宙機の飛行制御がより確実になり、精度1センチ未満の(現在の精度は数十メートル)航法衛星システムの新世代型を製造でき、さらにより正確な天体観測やさまざまな対象物のモニタリングも可能になる。

バガエフ氏は、この研究の基礎科学としての側面について、上述の技術分野で自然の基本原則をより深く理解できることや、相対性理論や重力理論の調査に役立てられることだと述べた。

 「世界で初めて量子周波数標準にもとづいた時計がつくられたのは、1981年、ロシアのノボシビルスクだったが、その精度は当時としては記録的なものだった。そして同じくノボシビルスクで1996年に可搬型光学時計、2000年から現在にいたるまで10^(-16)、10^(-17)秒の精度の時計がつくられるようになった。これらはすべて絶対周波数計測の精度における飛躍的進歩だ」。