突然のロ日首脳会談延期の理由は?

ロイター/ボストーク撮影

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12月に予定されていた日本の野田佳彦首相のモスクワ訪問は、もう少し遅い時期に延期になった。モスクワと東京は、ウラジオストクのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会談で予告された野田首相の訪ロ日程について、公式筋によれば、プーチン・ロシア大統領の「過密スケジュール」のため合意できなかったという。しかし専門家らは、延期の主な理由は、領土問題解決の停滞であり、会談に具体的な内容を盛り込めるような議題が組めなかったことだと考えている。

16日に衆院解散、12月16日に選挙

野田佳彦首相は16日、衆議院を解散すると表明し、それを受けて政府・民主党は14日夜、首相官邸で三役会議を開いて、次期衆院選を12月4日公示・16日投開票の日程で行うことを決定した。

「一月かそれ以後に」

野田首相のモスクワ訪問は来年に行われると、日本の大手通信社の共同通信は伝えた。日本の政府筋によれば、ロシアは日本政府に対して、年末まで首脳会談の実施は不可能だと伝えてきたとのことだ。共同通信が配信源とした同筋は、首脳会談は「一月かそれ以後に」行われると述べ、新しい日程は明らかにしていない。

9月のウラジオストク・APEC首脳会議で野田首相と個別会談したプーチン大統領は、野田首相のロシア訪問予定について発表した。ロ日首脳会談は、12月に開催され、空転している両国関係に新しい刺激となるはずだった。

突然の延期 

野田首相の公式訪問時期の突然の混乱について、今週初めにはまだ何も予告されていなかった。月曜日に同じ共同通信が、野田首相の12月訪問の準備の一環として、これまで幾度もロシアを訪問してロシア指導部との信頼関係を作った森喜朗元首相が11月末にモスクワを訪問すると配信した。日本側は、プーチン大統領が森氏を受け入れるだろうと予測していた。また首脳会談の議題の最重要問題は、経済協力プロジェクトと領土問題になるはずだった。

「私たちは実際に、モスクワでのロ日首脳会談が12月に行われると判断していた。今は新しい時期を調整しなければならない」と在モスクワ日本大使館筋は確認した。

原因をめぐる憶測 

野田首相の訪問時期変更として考えられる原因を解説して、日本のマスメディアは、訪問時期の混乱は、ロシア大統領の過密スケジュールとともに、プーチン大統領の健康状態―「スポーツによる古傷」―が原因だったかもしれないとの仮説を述べている。

しかし専門家らは、その説は説得力がないと考えている。「プーチン大統領が東京まで行く必要がないことを考えれば、大統領が健康上の理由で12月に野田首相と会談できないというのは信じられない。首脳会談の予定変更の理由は、どうやら別のことらしい」と、特命全権大使兼ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所首席研究員のゲオルギー・クナーゼ氏は言う。「前向きの議題にはまだ具体的な内容がない。つまり経済プロジェクトの大半は、まだプロジェクトのままであり、国境問題の調整には明らかな停滞が見られ、中東における国際問題の解決では、両国の相互協力は客観的に見て、きわめて限定的だ。すべてから判断すれば、プーチン大統領はこの情況で、野田首相と、形ばかりの会談を行うのは、まず気が進まないのだろう」。

野田首相の得点になるはずだったが 

しかし一連の専門家は、野田首相にとって、12月に成果をともなう会談を行うことは、国内情勢から見てきわめて有益だと考える。

「来年になれば、日本で総選挙が行われる」とロシア連邦外務省モスクワ国立国際関係大学東洋研究講座主任のドミトリー・ストレリツォフ氏は指摘する。「現在、日本の首相にとって、政治的な追加得点が非常に重要だ。すべてから見れば、プーチン大統領のモスクワ訪問提案に応じて、追加得点をあげることを期待していたのだ」。

「コメルサント」紙の記事抄訳