PhotoXPress撮影
製造業者自身はそれほど急激な市場の成長は見込んでいないものの、KPMG社の専門家の調査では、ロシアはチョコレート製造業者にとって、有望な成長市場のひとつで、2016年までに、現在80億ドルと評価されているロシア市場は、45%成長するという。KPMGロシア&CISの対消費者部門企業実務責任者のゲオルギー・パタラヤ氏はこう述べる。
「市場における、より高額で質の高い製品の消費者需要の伸びから、手づくりチョコレートの製造業者の事業は、今後活発になると判断できます」。
欧米の場合は
アメリカでは、質の高い割安な製品や、ベーコンやワサビといった変わったフレーバーの製品に対する安定した需要がある。健康食志向は、米国のチョコレート市場では、まだ重要な要因とはなっていない。
一方で、世界最大のチョコレート市場である西ヨーロッパでは、製造業者が健康問題により気を使うようになってきている。2011年度のこの市場では、ベジタリアン向けチョコレートが新しい製品の10%、添加物なしのチョコレートが7%、生態学的基準を守って製造されたチョコレートが7%となった。
不況でもやっぱりチョコレート!
心理学的調査によると、チョコレートを買う人は、チョコレートが体に悪いと承知しながら、おいしさに引かれて、ついつい手を伸ばしてしまうという。
オジンツォフスカヤ製菓工場の創設者であるアンドレイ・コルクノフ氏は、ロシア人の生活が向上し、消費者金融も成長していることから、今後2年ほどでチョコレートの消費が拡大すると考えている。
「ロシア市場を信じます。不況だなんだと言ってロシア国民は脅かされていますが、生活は普通に続けられていて、人の家にお客に行ったり、プレゼントを贈りあったりしています。国民は明日ではなく今日を行きたいと願っていて、それがうちの品質の高いチョコレートのように、優れていて質の高い製品を買おうという意欲を刺激するのです」。
そう言いながらも、コルクノフ氏はロシア市場の成長はそれほど速くないと見ている。同氏の試算によれば、年間成長率は5%から7%の間を推移する。
市民社会と手づくりチョコレートの関係
手づくりチョコレートについては、ロシアのチョコレート消費文化が限られたものであるため、他の種類のチョコレートほどの速さには及ばないものの、消費が今後増えるだろう、とコルクノフ氏は言う。
「フランス、ベルギー、イタリアなどでは、どんなに小さな町でも地元のショコラティエがありますが、ロシアでは今のところ大きな街でしか開業されていません。ただ、ロシア人はチョコレートが好きなので、今後徐々に小さな町でもそのような店が現れるようになるでしょう。でも、そのためには2年から3年ではむりで、もっと待たなければなりませんが」。
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