タス通信撮影
「経済の新分野育成の条件整備を」
プーチン大統領によれば、ロシアのGDP(国内総生産)は、「より質が高く、バランスの取れた内容となった」ものの、ロシアは経済成長のモデルを徹底的に変える必要があるという。
「ロシア経済の良い傾向にもかかわらず、成長のための簡単な解決策や要因はもう残っていない」と大統領は述べた。
また、石油・ガス輸出の収入は、ロシアのGDPの大部分を占めているものの、それに今後も依存し続けることは、軽率で近視眼的である、と述べた。
大統領によると、今後の経済成長は、産業の育成、および既存の産業の現代化へ大規模投資を行い、合わせて「人的資本」に投資することでしか実現できない。したがって、ロシア政府の現在の主要な課題は、経済の新分野育成の条件整備になる。
投資の簡素化と税制改正を約束
プーチン大統領は、その実現に向けて、近い将来、経済への投資を簡易化し、無駄なコストがかからないような税法典の改訂を中心に、いくつかの対策を講じることを約束した。
この際、年金の積立部分は廃止せず、インフラ整備のプロジェクトに投資する。
これと同時に、大統領は、「直接投資基金」にも大きな期待を寄せた。大統領によると、国庫からすでに80億ルーブル(約200億円)を投資プロジェクトに拠出しており、民間の投資家から250億ルーブル(約630億円)を集めたという。この基金は、投資の呼び込みなどで、新産業の育成に大きく貢献すると確信している、という。
2020年までに2500万人の雇用を創出と試算
これらの措置と公約の実行で、2015年までにGDPの25%に相当する投資がなされ、2020年までに2500万人の雇用が実現できる。また、労働生産性は6年後(大統領任期の終わり)に、1.5倍に高まるとしている。
専門家らは、大統領のこの声明が、選挙公約に具体性を与えるものだと評価した。どのように実現されるのかが明確になったというわけだ。
全国ビジネスマン組織「ビジネスのロシア」の共同議長、アントン・ダニロフ・ダニリヤン氏はこう述べた。
「税制改正の公約は、今後の作業の道筋を示したのですから、これは良いことです。今日まで、このような動きはまったくありませんでしたから。財務省の2015年までの税金戦略には、いかなる改革も示されていませんでした」。
投資運用会社「カピタル」の専門家、ワジム・ソスコフ氏は、年金の積立部分を残すという決定が、インフラ整備とロシア人の生活の双方にとって、大きな支えとなると考える。
年金生活者は、居ながらにして、間接的に投資し、経済の需要を維持することになる。積立部分を残すことにより予算にかかる負担も、極端に大きいわけではない、というのがその理由だ。
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