写真提供:doublerobotics.com
ダブルと名付けられた、このロボットは、セグウェイスクーター(電動立ち乗り二輪車)にiPadを搭載しており、ユーザーが別のiPadを使って制御し、「テレプレゼンス」を提供するように設計されている。つまり、その「ロボット目線」で見たり、聞いたりできるわけだ。
製造元は、カリフォルニア州に拠点を置くダブル・ロボティクス社。同社のウェブサイトによると、このロボットは幅広く使用することができ、例えば、博物館や大学で団体ツアーを誘導したり、遠隔地の従業員を管理したりすることが可能だ。
第三のイノベーション
「過去数十年にわたり、イノベーションのグローバル投資は、主にコンピューティングとインターネット技術に焦点を当ててきました」。バウマン記念モスクワ国立工科大学でロボット工学とオートメーションで学位を取得したグリシン氏はこう語る。彼は、ロシアのマーク・ザッカーバーグ(Facebookの創設者)とも呼ばれる。
「これまで、ロボットへの投資は、製造業に限定されていました。ロボットは、我々の日常生活を大きく変える可能性をもつのに、この分野への投資は限られていました」と、グリシン氏は言う。
ダブル・ロボティクス社は、自社への投資を利用して、製造能力を高め、優秀なエンジニアを雇って製品開発をレベルアップする予定だ。
ロボットの予約受付中
ロボットは1999ドルで先行予約することができるが、来年の出荷開始時には2499ドルとなる。 ダブル・ロボティクス社は現在、ロシアからの6台を含み、600台の先行予約を受けており、総額120万ドルの予約が入っている。
同社によれば、「フォーチュン500」(フォーチュン誌による全米上位500社)の17企業を含む顧客は、会議、セキュリティ、医療監視、不動産、美術館ツアー、プレゼンテーションなどに製品を利用する計画だ。
バーチャル旅行の「最もシンプルにしてエレガントなツール」
一部の業界専門家は、 一体どの程度、ダブルが「パーソナル」なのか懐疑的だ。
「10年前には面白いアイディアだったでしょう」。イーゴリ・ベロウソフ氏はこうコメントした。同氏は、ロボット工学の博士号を取得しており、ヒューレット・パッカードのロシアにおける大学広報の責任者だ。
「ダブルは、宣伝されているような、パーソナルなロボット・ツールには見えませんね。もっとも、クールな技術を取り入れている、というイメージ作りにはなるかもしれませんが」とベロウソフ氏。
とはいえ、ダブル・ロボティクス社いわく、この製品があれば、居ながらにして世界のどこにでも行った気分を味わえる「最もシンプルにしてエレガントなツール」だという。
「あなたが今、座っていようと立っていようと、遠隔で目線の高さを調整できます」と同社のウェブサイトは記している。ダブルは重量約7キロで、一回の充電で最大8時間持続する。
グリシン・ロボティクス社を立ち上げ
グリシン氏は、新興企業の開発者や起業家や発明に資金を提供するために、自己資金2500万ドルで、6月にグリシン・ロボティクス社を立ち上げた。
そのウェブサイトによると、同社は、ロボット産業の地位を向上させ、この業界の起業家のアイデアと製品をサポートすることを目的としている。同社はニューヨークを拠点を置いている。
「ロボット研究の最先端は、米国、日本、韓国、フランス、ドイツです。ロシアではないですからね」とベロウソフ氏は言った。
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