レーザー光線が交錯した国際光のフェスティバル 「光の環」 =タス通信撮影
モスクワの赤の広場をはじめ各所で第2回国際光のフェスティバル「光の環」が行われた。第1回は昨年開催された。
オープニングは小雨がパラつく悪天候の下で始まった。この日、赤の広場としては少なめの2万人から2万5千人ほどだった。
クレムリンの城壁には薔薇が咲き乱れ、聖ワシーリーイ大聖堂の丸屋根は鐘の音に合わせて輝いた。
赤の広場の中心部には大きなバルーンが置かれ、森の景色、子供の写真、真っ赤に燃えたぎるマグマ、酸性環境など、光を通した世界の誕生のショーが映し出された。
音楽はディスコの電子音楽へと変わり、花火が打ち上げられたショーの締めでは、クレムリン前でその破裂音や轟きが響き渡り、フェスティバルの最も興奮した瞬間を演出した。
第2回国際光のフェスティバル「光の環」にかかった総費用。
フェスティバルの美術監督、マリヤ・チェルニャクさんは、フェスティバルのために芸術コンクールが開かれ、光の効果や最新技術が駆使されたと語っている。
フェスティバルは赤の広場だけでなく、マネージ広場、ゴーリキー公園などモスクワ中心部のさまざまな場所で同時に開催された。
フェスティバルにかかった総費用は4億ルーブル(約10億円)。主催者側は1か月前には来場者数が300万人程度と言っていたが、開催時には500万人という強気の数字をはじき出していた。チェルニャクさんは「昨年の実績や開催場所の収容人数から試算した」と話している。市内の高いビルへの3D映写、ビデオアート、光と音楽のパフォーマンスが次々と行われたほか、モスクワ市で最大のアート・ギャラリーである中央芸術家会館では、さまざまな街や国の光のフェスティバルのプレゼンテーションを会館の壁に映し出す「フェスティバルのフェスティバル」も行われた。
フェスティバルの照明に必要だった大型風力発電装置の生産量に匹敵する電力。
中央芸術家会館から500㍍の場所にはギャラリー、バー、クリエイティブ・オフィスなどが集まる、クラースヌイ・オクチャーブリ(赤い10月)というおしゃれな地区がある。
夜になると、黄色、緑色、紫色などの鮮やかなネオンがきらめいて、おとぎ話のような世界に変わる。このため、中央芸術家会館の垂れ幕や映像はネオンに負けてしまい、フェスティバルの雰囲気が減殺された感じだった。それでも、モスクワ市全体を見回すと、どこも美しく照らされ、創造的なムード満載だった。
大規模で国際的なプロジェクトでコントラストを生み出すという難しい課題は成し遂げられたと言える。
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