「連邦予算を予想原油価格から“切り離す”」

=タス通信撮影 

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ロシア政府が予算を原油価格から“切り離す”ことを、メドベージェフ首相が約束した。換言すれば、これまでのように、予想される原油価格に基づいて予算を組むことはしない、ということだ。ロシアの経済的安全性を確保するために、これが必要になるという。

サブプライム問題に端を発した2008年の金融危機は、世界的な問題が発生すれば、いかなる経済大国といえども無関係ではいられないことを示した。メドベージェフ首相は、黒海沿岸の都市ソチで開催された国際投資フォーラム「ソチ2012」の席上で、「現在では、隣人の問題に無関係でいられると当てにするのは虫が良すぎる」と述べた。

第2波を待つ世界 

現在、世界もロシアも、いわゆる金融危機の第2波を予期していて、いつ来るのかと戦々恐々としている。ロシアにとっては2009年、世界の工業生産高がマイナスに転じ、その結果需要や原油価格が落ち込んだ時が、最も困難な時期だった。

そこで、次の年度からは、予算を原油価格から“切り離す”と、メドベージェフ首相は宣言した。来年度からは、予想原油価格に基づいて予算を組むことはしない、という。

「この決断は難しかったが、もう採択して、すでに実行している」。原油価格が上がった場合の利益分は、予備費として計上されるという。

成り行きまかせ? 

2012年の国家予算に占める石油ガスの収入は、5割弱の47.3%にもなる。天然ガスは市場で取引されず、契約にもとづいて納入されるため、販売収入を予測するのは簡単だが、石油の場合は、1年間に市場でどのような値動きとなるかを予測するのはほぼ不可能なため、専門家は事実上憶測に頼っている。

 ソチの国際投資フォーラム

今年で11回目を数えたソチの国際投資フォーラムは、9月20日から9月23日まで開催された。このフォーラムは当初、クラスノダール地方の経済に投資を呼び込む目的で始められた。その後近隣地域も積極的に参加するようになり、次第に全ロシア的、さらには国際的行事へと変化していった。それでも、ロシアの地域フォーラムという、最初の主なアイデアは守られている。今年のフォーラムでは、300件以上、計4000億ルーブル(約1兆円)の契約が結ばれた。ロシア人以外にも、38カ国から約500人がフォーラムに参加。

このような理由から、ロシアの予算編成の際には複数の予測が取り込まれ、国家財政の支出にいくつかのシナリオがつくられてきた。

これを変えようというのが今回の首相の発言だが、具体的に今後どのようにして予算を組んで行くかについては、発表がなされなかった。2013年度の予算案によると、石油とガスからの国庫収入は44%になる。これは2012年度よりもわずかに少ないものの、ほぼ半分を占めていることには変わりない。

原油価格は最低に見積もるべき 

今後数年は、石油ガス分野からの予算収入が大きく伸びると考えられているのに、政府はどうやって石油価格への予算の依存を弱めるのだろうか。政府はつい先日、輸出関税を見直し、新しい鉱山の有用鉱物採掘税の免税期間を伸ばす決定を行った。

東シベリアのプロジェクトに対する税金は半額となり、イルクーツク州、クラスノヤルスク地方、サハ共和国のプロジェクトには、鉱物採掘税免税を2017年1月まで、北極圏大陸棚では2019年まで、黒海とオホーツク海では2020年まで、それぞれ適用する。燃料エネルギー省の試算では、これが鉱山開発の収益を高め、最終的に年間150億ドルの追加的収入を予算にもたらすという。

原油価格への予算の依存度を下げるために、世界の取引所で原油価格が下がった場合でも黒字を維持できるよう、政府が支出を抑えなければならないことは明白だ。つまり、予算案に含める原油価格は、最低限に見積もらなければならない。余った分はすべて、メドベージェフ首相が言う通り、予備費にあてるべきだ。