ウクライナに秋波

ニヤズ・カリム

ニヤズ・カリム

今後の政治の主要テーマの一つとなるのは、大統領職への復帰に際してウラジーミル・プーチン氏によって打ち出されたユーラシア連合である。
しかし、大統領選の選挙綱領として論文が発表されて(2011年10月)1年も経たないうちに概念そのものが洗い流されてしまった感がある。

正確に言えば、プロジェクトの作成者自身、何を意味するか全く分かっていないために生じた一連の不可解に基づいている。

問題となっているのは、ユーラシアではなく、ヨーロッパに位置しているウクライナという一つの具体的な国なのだ。

ウクライナを統合プロジェクトへ引き入れることが主な課題であり、ウクライナの加盟は関税同盟という枠組に別のフォーマットを付与する。

大きな市場と潜在的に多角的な経済をそなえたウクライナが加盟すれば誰もが一目置く本格的な機構が現れる。

プロジェクトの作成者らはユーラシア圏、つまり中央アジアにはさほど関心を寄せていないように思われる。経済的にみて加盟候補国(キルギスやタジキスタン)は見返りよりも多くの問題をもたらすだけに、それもうなずける。

ユーラシア連合の構成国は、活動能力と豊富な資源を有するカザフスタンに当分の間限られることになろう。

関税同盟の発展としてのユーラシア連合は実用的な構想である。市場の拡大およびソ連崩壊に伴って破壊された生産構造の再生がその目的であり、20世紀後半の欧州統合モデルをこの領域において実現する手段である。

当面は域内の問題処理に追われて近隣諸国どころではない欧州連合(EU)における深刻な危機は触媒の役目を果たす。それゆえ、ロシアには、競争のハードルを下げるまたとないチャンスが到来していると言えよう。

ソ連時代に対する熱い想いは、他の旧連邦構成共和国ではロシアほど肯定的には受け止められていない。ロシアは国力の喪失を嘆くが、他の国々は独立を喜んでいる。

仮にロシアがソ連のようなものを再建する目的を掲げても誰もついてこない。想定されるユーラシア連合は、大草原の政治的具現でもソ連の転生でもなく、ほんの少しだけ欧州連合のオルターナティブである。

ッタ・ルー紙抄訳