写真提供:ゴーリキー・パーク
モスクワっ子の憩いの場、ゴーリキー・パークは、ソ連の前衛芸術家コンスタンチン・メーリニコフにより設計され、1928年にオープンした。総面積約100ヘクタールの敷地内に、当時ヨーロッパ最大の映画館、劇場、テニスコートなどの娯楽施設も作られて、モスクワきっての人気スポットになり、小説、映画にも何度も登場した。遊園地というよりはロマンチックな大庭園とでもいうべき場所だった。ただし、ゴーリキー・パークと命名されたのは、1932年のことだ。
大祖国戦争(独ソ戦)の時期は、ここで戦利品の展示が行われたり、「雪解け」の時代以降はロックンロールのファンが集ったりと、時代の変化をいち早く映し出す歴史の鏡でもあった。
ソ連崩壊後の1990年代からは、多数の売店、カフェがバザール風に立ち並び、アトラクションも次々に100以上も設けられた。それなりに市民に定着してはいたが、安全面で問題があった。
ロシア版ハイドパークを目指し大改修
モスクワ市長セルゲイ・ソビャーニン氏は、当初の文化的な憩いの場を復活させ、なおかつ近代的な設備、インフラをそなえたものにすることを基本コンセプトとして、2011年から大改修計画を始動させた。
復興は急ピッチで進んでおり、現在までに、モスクワ河の船着場、花壇、芝生、噴水、彫像などが修復され、日光浴できるサマービーチも設けられた。公園への入場は無料となった(以前は80ルーブル=約200円)。また、公園の全域でネットに無料でアクセスできるようになった。あちこちにクッションやハンモック付きのテラスが設けられている。
新たに84本の街灯を設置したので、夜間もぐっと明るくなった。敷地内のゴリーツィン池には、400キログラムの魚が放された。この公園内の歴史的建造物、建築はその数20に及ぶが、それらすべてが修復されることは言うまでもない。
敷地内には大手レストランチェーンが開店した。
昨年冬には、15000平米あるヨーロッパ最大のスケートリンクがオープンした。プラス15度まで滑れるので、今年は3月半ばまで営業していた。
また、公園からモスクワ大学のある雀が丘までの、18キロメートルのサイクリングコース建設も検討されている。
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