「シリア情勢の正常化を純粋に望む」

Vostock-Photo/ロイター通信撮影

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中華人民共和国国務院(最高国家行政機関)の戴秉国(たいへいこく)国務委員(71)は、ロシア訪問に先立って、「ロシア新聞」のインタビューに応じた。その中で、中国はシリア国民に対して責任を感じていることや、シリア情勢の平和的かつ公平な正常化を目指すこと、また露中関係の発展や中国経済について述べた。

- ここ数年、ロシアと中国の関係は、かつてないほどの発展を見せ、真の戦略的パートナーになりました。両国は、今後どのような分野で結束を高めていくとお考えですか。 

中露関係の今後10年間の発展計画を実行するにあたり、以下の枢要な課題での協力関係を強めるために力を注ぐことになるでしょう。

両国の主権、安全保障、発展上の利益を守り、包括的・戦略的協力関係を中心とした実践的協力関係を新たな確固たる水準へ高め、同時に、2015年と設定していた両国の商品流通1000億ドル(約8兆円)の達成時期を早めて、経済貿易協力の質の向上ならびに規模の拡大を行い、人的交流や相互活動を拡大し、国際問題における二国間関係の調整ならびに協力を強化し、世界秩序をより公平で合理的な方向に共に発展させ、地域的かつ全世界的な平和、安全、安定により大きく寄与していく、といったことです。

- 国連の対シリア問題で、ロシアと中国は共同歩調を取り、西側諸国が両国を痛烈に批判しています。国連で、中国はどのような対応を取って行きますか。 

シリア情勢の正常化について、中国は客観的かつ公正な立場を取っています。シリア国民の選挙結果を尊重し、どちらか一方を支持したりはしません。他国が国内問題に干渉し、武力で政権を変えようとすることを、中国は到底受け入れることができません。

シリア国民に対しても、この地域の平和と安定に対しても、中国は大きな責任を感じています。中国はそうした意識で、シリアの双方が和解し、対話の席に戻るように、積極的に動いているのです。

すべての当事者との連絡や相互活動をより積極的に行い、これまでと同様、シリア情勢を平和的かつ公平な方法で正常化するために、国連での主導的な役割を維持していく用意があります。

- アメリカの環太平洋地域に対する政策の変更について、中国はどのように考えていますか。 

環太平洋地域に対するアメリカの戦略が、時代思潮のみならず、安定性の維持、協力関係の強化、共存共栄など、この地域の国民に共通する期待に応えるものであるか、ということに興味を持っています。

これに関連して、アメリカがこの地域の国々の法的利益を尊重し、公平な憂慮を示し、この地域が安定し、繁栄するために努力することを希望します。

- ロシアには、ロシア極東地域で生活し、ビジネスを行う中国人の数がとても多いことを懸念する人が少なくありません。いかにして、そのような人々を安心させますか。 

中国とロシアは隣人であり、隣人は交流や接触なしには暮らせません。中露関係の強化により、両国の協力関係は拡大し、国民同士の交流が活発になっていますから、より多くの中国人やロシア人が勉強や仕事、またはビジネスや移住などで、互いの国に行き来することは自然なことです。

中国政府は、渡航先の国の法律、伝統、習慣を尊重するよう国民を教育し、地元の住民と友好的に接するように呼びかけています。同時に、滞在国での中国人の法的権利や利益が守られるものと期待しています。

- ここ数十年の中国経済の猛進は、非常に印象的です。多くの専門家は、中国経済が世界一になる日も近いと考えています。世界のリーダーになる心構えはありますか。 

中国のGDPは世界第二位になりました。それでも、国内の実際の生活条件がどのようなものであるかを、はっきりと認識しています。中国はまだ、多くの人口と脆弱な経済基盤を備えた、発展途上国です。国全体の経済規模は拡大していますが、その質については向上が必要なことは事実です。

しかも、中国の国民一人あたりのGDPは、ロシアの三分の一の5414米ドル(約43万円)にすぎず、世界で89番目です。中国で貧困層に属する人は1億2800万人と、ロシアの人口とほぼ同じぐらいいます。つまり、先進国に並ぶまでには、遠くて困難な道のりが目の前に控えているということなのです。

中国は、世界経済でトップに立つことにこだわってはいません。平和的発展の道を一歩一歩前に進み、相互利益にもとづいて、開かれた戦略を確実に実現して行きます。

 *ロシア新聞の記事の抄訳

 **元記事(ロシア語のみ)