「マルシア」F1チーム が成長

=タス通信撮影

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ロシアのF1チームが故郷に帰ってきた。去る7月15日に開催された、クレムリン周辺を走行する「モスクワ・シティ・レーシング(Moscow City Racing)」に、「マルシア(Marussia)」が参戦した。グランプリでの成績は今のところ14位が最高だが、着実に力をつけてきている。

チームの業務最高責任者であるアンディ・ウェブ氏は、ロシアのファンが温かく歓迎したことに感銘を受けたという。

「ロシアではF1人気が急速に高まっていて、ファンが細かいことまでとてもよく知っていることに、ただただ驚くばかりです」と同氏は記者会見で述べている。

ロシア初のF1チームに関する関心は高く、ファンは活発さを増してきている。ロシア初となるF1サーキット場の建設が、ソチで予定されていることも、人気を後押ししている。

露英合同チーム 

「マルシア」はイギリスとロシアの合同チームだ。

2009年、イギリスの富豪であるリチャード・ブランソン氏が、新しい会社「マノー・グランプリ(Manor Grand Prix)」のスポンサーとなり、チーム「ヴァージン・レーシング(Virgin Racing)」が生まれた。2010年11月、ロシア初のスーパーカーのメーカー「マルシア・モータース(Marussia Motors)」が、「ヴァージン・レーシング」の大部分の株式を取得したため、ロシアに独自の「F1」チームが存在するようになった。「マルシア」チームに改名されたのは今年だ。

このチームのロシアらしさとは何だろうか。何よりも、所有者である「マルシア・モータース」の名前がついていることだ。

「マルーシャ(Marusya)」とは、典型的なロシアのキリスト教の女性名「マリア」の愛称で、長い三つ編みをした可愛い女の子がイメージされる。その「マルーシャ」に、ロシアの英語表記「Russia」をかけて考案された名前が「マルシア(Marussia)」だ。

立役者はニコライ・フォメンコ

チームはロシアの国旗をかかげている。

チームのエンジニア部門の責任者を務めているのは、「マルシア・モータース」の社長ニコライ・フォメンコ氏だ。彼は、テレビやラジオのバラエティー番組、教育番組、自動車番組の司会者として有名で、「功労芸術家」の称号をもつ。

また同氏は元レーサーで、国際レベルのモータースポーツの「スポーツ・マスター」の称号ももつ。ウェブ氏は、「ロシアNOW」のインタビューの中で、チームを成功に導いている立役者は、このフォメンコ氏だと述べている。

「才能豊かでゆるぎない情熱を持ち、チーム全員がロシアを感じ、理解することを願っています。そのためにフォメンコは大いに努力しています」。

「マルシアF1チーム」の編成は国際的で、ウェブ氏の他に、ジョン・ブース氏やグラハム・ラウドン氏などのイギリス人が率いていて、チームにはフランス人のシャルル・ピックや、ドイツ人のティモ・グロックといったドライバーがいる。「マルシア」の車体には、「マルシア・モータース」が技術提携を行っている、イギリスのメーカー「コスワース」のエンジンが搭載されている。

今のところロシア人は少ないが 

ロシアの有名なF1評論家である、アレクセイ・ポポフ氏はこう述べた。

「このようなチームになることは、まったく予測していませんでした。『コスワース』エンジンが、マーケティング目的で搭載されるだけだと思っていました。ロシアのチームという割には、オーナーはロシア色を出そうとはしていません――せめて段階的にロシア人の人員を増やすといったこともしていません。ロシア人が今年レースに参加していないのは、残念なことです」。

ただ、ウェブ氏によれば、チームの幹部はよりロシアらしくしたいと考えているという。

「ロシア人には活力があり、伝統主義的で、何よりも前進しようという気持ちがしっかりとあります。国が発展していることは、F1にとって、とても重要です」。

チームには、技術問題についてアドバイスできる、ロシアのエンジニアを加える計画があり、ロシア人専門家がイギリスで学べるような特別プログラムを、オックスフォードで作成している。

3~4年後に成績を意識 

ウェブ氏はこう付け加えた。「完全なロシアのチームにしたいと願うなら、エンジニア、マーケティング、整備工をすべてロシア人でそろえる必要があります。少なくとも10%はロシア人にしなければなりません。現在は1%しかいません」。

ドライバーもロシア人にという案もある。具体的に誰が選ばれるかという問題については、ウェブ氏は口を閉ざし、2014年までに公表したいと述べた。

チームは活動を始めたばかりで、活躍しているとは言い難い。2012年シーズンで、モナコやオーストラリアなどの9つのグランプリに参加したが、14位以上にはなっていない。

チームの幹部は、さまざまなマスコミのインタビューで、現時点の目標は勝利ではなく、しっかりとしたチームを築き上げて行くことで、3~4年後に成績を意識して行きたいと述べている。